2009/01/31

高所恐怖症のデンマーク人3

2、3か月後のこと、僕は欧州出張のおり、逆に高所恐怖症のデンマーク人・アンデルセン氏をオフィスに訪問した。

「こんにちは。久し振りだね。」

「うん。来月また日本に行くことになったよ。」

とアンデルセン氏。

「あ、そう。こっちは、いつでもウェルカムするよ。」

すると、ちょっとためらいながらアンデルセン氏がいった。

「今度日本に行く時には、一つお願いがあるんだ。」

「うん。何?」

「次に行く時には、必ず地下のレストランにしてくれ。」




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2009/01/30

高所恐怖症のデンマーク人2

高所恐怖症のデンマーク人・男性アンデルセン氏と数日後、一緒にトイレに入った。

しかし、このトイレは30階にあり、しかも、男性用は窓の外を向いて用を足すようになっていた。

彼は顔をそむけてのけぞりながら、しかたなく前に立ち、そして言った。

「Ohhhhh!!! 高い~!!」




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2009/01/29

高所恐怖症のデンマーク人

あるとき日本にビジターとしてデンマーク人のアンデルセン氏がやってきたときのこと。

ランチを取るために、近所のビル最上階にある展望レストランにつれて行った。

運よく席もまあまあすいており、ビルからの見晴らしが望める窓際の席に案内された。

しかし、アンデルセン氏はなかなか席に向かってくれない。

「どうぞこちらに・・・」

「い、いや、私はここがいい・・・」

と与えられたテーブルで一番窓から遠いところを指さしている。

よくわからないまま、僕は一応

「ビジターですから、窓のながめも見えるようにこちらに座ってください」

といってみた。

するとアンデルセン氏はこう言った。

「ぼ、ぼくは高所恐怖症なんだ。だ、だからここでいい。」

見ると、確かに本当に心底怖そうにしていた。

彼は落ち着きのないまま、チャーハンを注文したものの、食欲がないといって、半分も食べないまま早々にエレベータに直行して「地上」に降りて行った。

その後、落ち着いた彼はこんなセリフを吐いた。

「あのレストランの高さは、間違いなくデンマークの最高峰よりも高い!!」

デンマークにはよほど山らしい山がないらしい。



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2009/01/28

全州の旅人宿で共用トイレにカギを掛けられる

韓国・全州のバスターミナルのそばには旅人宿があった。

光州から大田に行く途中で、全州に立ち寄ったのだった。

ここの旅人宿は一泊8000ウォンだった。

宿のおばさんは僕の手から奪い取るように8000ウォンを受け取り、すっ飛ぶように消えていった。

なぜかはよくわからないが、消えていった先のあたりでおばちゃんが

「パルチョノン(8000ウォン)!! パルチョノン(8000ウォン)!!」

と叫んでいるのが聞こえた。

もしかして、ボラれているのか?

確かに風呂(沐浴湯;もぎょくたん)が使えない分、木浦の旅人宿が同じ8000ウォンだっだが、それよりも安くていいはすだ。

トイレは部屋から外に出た離れに共用トイレがあった。

部屋の中と、外との仕切りがなんと障子一枚のみ。

はたしてオンドル部屋といえども、夜の寒さがしのげるのか不安になってきた。

障子と床のすきまにタオルやら、靴下やらを詰めて部屋の空気を密閉させて寝た。

さて、その翌朝。さして寒くもなく眠れ、眼がさめた。

障子を開けて共用トイレにいくと、

なんとドアにフックを掛けられた上に南京錠が掛かっているではないか!!

昨日の夜は使えたはずなのに。

いったいどういうことだ。

ドアをあけようとしてがちゃがちゃやってみたが、フックと南京錠が外れるわけもなかった。

しかも、入口にはパルチョノンおばちゃんの姿も見えない・・・。

料金は先払いしてるし、もうここには用もないと思い、僕はしかたなく、

一人勝手にチェックアウトして隣のバスターミナルに出て行ったのだった。




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2009/01/27

「タフ・ディシジョン」と「苦渋の選択」

欧米人は、「タフ・ディシジョン(tough decision)」っていう言葉が好きであるように思う。

しかも、どうもこの言葉についてうまい日本語訳がないような気もする。

無理して日本語訳すると「難しい意思決定」とでもなるのだろうが、どうもニュアンスが違う。

どんなときに使うのか?

昔は花形だった事業から撤退する、とか、

伝染病にかかってしまった恐れのある家畜を大半が大丈夫と知りつつ焼却処分する、とか・・・

とにかく、どうやっても、何か悔いが残ったり、部分的なマイナスが出るような意思決定だ。

欧米人は「タフ・ディシジョン」ができるリーダーは、指導力のあるリーダーとみなすので、「タフ・ディシジョン」ができるっていうことは、ニュアンスとして、マッチョないい意味を持っている。

でも、もっと単純に欧米人の根底にある感覚はきっとこういうこと。

「タフ・ディシジョンができる男はいい男!!」

だから、「男」たるもの、困難な状況に立ち向かい、「タフ・ディシジョン」を進んで行う。

すると誰か必ずほめてくれるし、もしかすると美女も寄ってくるかもしれない。

でも、日本にはこの感覚はあまりない。

だから、日本で「タフ・ディシジョン」を行ったときの状況を意訳すると、こんな訳がぴったりする。

「苦渋の選択」

困難に立ち向かって、誰かに責められこそすれ、間違っても女にモテるようになったりすることは絶対ない。

ということで、

「苦渋の選択」をほめちぎる美女集団をやとって放つ、なんていうのが案外、一番効く世直しの具体策なんではなかろうか?



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2009/01/26

TGVで車掌と口論したあげく、罰金を取られる

ボルドー駅インフォメーションでは英語が全く使えなかったので、僕はとりあえず駅のホームに入った。

掲示板には駅に発着するいろいろなSNCF電車が行先別に出ている。

が、行き先の地名がわからん列車ばかりで、ローカルなのか、幹線なのかもわからない。

しばらく見ていると、はっきり中身のわかる電車を発見した。

"Paris"、"TGV"

などと書いている。これなら僕にもわかる。唐突だが、これに乗ることにした。

だいたい予定外にマルセイユ経由、ボルドーにやってきたがそもそも僕はパリに行くつもりだったのだ。

案内に出ているホームに行くとオレンジ色の流線型の電車が止まっていて、側面にTGVと書いてある。

ちょうど、見知らぬ夫婦が先頭車両をバックに写真を撮っているところだった。

手元にあるユーレイルパスの裏をひっくり返して読んでいくと、あまりはっきりしないがこのチケットでTGVにも乗れるようだ。

適当な車両に乗り込み、入って2、3列目の空いている席に適当に座った。

ほどなくして、TGVは発車。

確かに早い。

でも、線路も地面も平らでまっすぐだ。この環境で新幹線と速度比べをするのは不公平かもしれない。

などと思っていると大柄なフランス人車掌が入ってきて、一人一人の検札をはじめた。

僕は、やってきた車掌に無造作にユーレールパスの紙の束をバサッと手渡した。

車掌はチケットの束をひっくり返して眺めて、なにやらフランス語で話かけてきた。

当時の僕はフランス語が全くわからなかったから、車掌が何を言っているのかちんぷんかんぷんだ。

が、なにか僕にとって都合の悪いことが起こっているのは明らかだろう。

しかも、金を払えといっているようだ。

車掌の言っていることは全くわからなかったが、どうも90フランと言っている。

結構な大金だ。しかも支払ねばならない理由が不明だ。

そこで僕は立ち上がって、車掌が持っている僕のユーレールパスの裏をひっくり返して、TGVに使えると書いてあるところを指して、英語で言った。

「見てくれ、ここに、このチケットは、TGVにも使えると書いてある」

すると車掌は該当部分をたどたどしく読み返し、フランス語に戻って何やら言い始めた。

やっぱり90フランを支払えといっているらしい。

しかし、そんな大金を理由もわからんまま支払わけにはいかない。

8割くらい席の埋まっている状況でまわりの乗客を振りかえって、叫んでみた。

「誰か英語はできませんか?」

しかし、このフランス人がもっとも嫌いそうなセリフは、丸無視され、まわりの乗客は誰ひとり、表情ひとつ変えず、静かに座っていた。

しかたがないので、とりあえず英語で再び言い返す。

「このチケットは、TGVにも使えると書いてある」

こうして車掌と僕は、高速走行するTGVの車内で、英語とフランス語のかみ合わない言い争いを際限なく続けた。どうせこっちはヒマ人だし、訳も分からず金を払うなんてまっぴらだ。

なんならパリまでこのまま続けてやろうと思った。

言い争うこと15分。

どこかからか、終わりそうもない言い争いのうるささにうんざりしたのか、赤いシャツを着た一人のおじさんが間に現れた。

赤シャツのおじさんは英語でこう言った。

「よろしい。僕が説明してあげよう。」

「はい。ありがとうございます。」

「あんたは、予約をしないでこの電車に乗っている。だから、予約なし乗車の罰金を支払わなきゃいけない。罰金の金額は90フランだ。」

「はぁ、そういうことですか」

そう説明されてしまうと支払いしないわけにはいかない。いまいましいが、払えるくらいのフランを持っていた。

罰金を支払い、そのまま座ろうとすると、そこはだめだという。

赤シャツおじさんが再び言ってくれた。

「そこは予約があるから、座ってはいけない。替わりに向こうの席に座れって。」

こうして僕は罰金を支払って、TGVに乗った。

パリで下車すると、再び赤シャツおじさんが近づいてきてちょっと雑談してくれた。

おじさんは、フランス人ではなく、ベルギー人だった。

僕は赤シャツおじさんの好意に感謝を伝え、深くおじぎをして見送った。



それにしても

「誰か英語はできませんか?」

と僕がまわりの乗客に頼んだときに、この英語がわかった人は周りにもっといたに違いない。

あのときに乗客たちが一人残らず、表情ひとつ変えず座っていた光景を僕はきっと生涯忘れない。




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2009/01/25

コンプリメントとは


海外出張のため、シンガポールのやや高級ホテルに泊まったときのこと。

部屋のお風呂に、ホテル名入りのラバーダッキー〔あひるのおもちゃ〕がおいてあったのを見つけた。

そのホテルの売店に行くと、同じラバーダッキーがたくさん並べている前で、これはお土産になるのかなぁ、と見ていたら、売店の中国系に見える童顔のおねえさんがよってきた。

「このダッキーは、部屋のお風呂にあるのと同じやつかな?」

「そうです。部屋にあるものは、コンプリメントとしてお持ち帰りになれますよ。」

なにー、じゃあわざわざ買う必要ないじゃんと思ってしまったが、同時に「コンプリメント」という表現がとても美しく、上品に響いてきた。

しかも、このお姉さん、商売を一つ逃したなんてことは露ほども思っていないようにニコニコしていた。

ま、2,3ドル程度のしょぼい話ではあるが。

で、「コンプリメント」

("compliment"・・・そうか、こういう風にいうのか・・・。)

『ホテルの部屋からパクってきた』なんていうより、『×××ホテルのコンプリメントだったんだ』というほうが、やってることは同じでもぜんぜん聞こえがいいように思える。

ぜひカタカナとして広めてほしい、この言葉。



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2009/01/24

ボルドー駅インフォメーションで、英語を拒絶される

ボルドーで一泊した僕は、せっかくボルドーに来たのだからとわざわざブラッスリーに行き、赤のグラスワインを注文し、プーレ(とりにく)を食べて寝た。

グラスワインは前日にあけた瓶の残りを出してきたような、酸化した味がした。

さて、翌朝。

僕は電車でサン・セバスチャンに行こうと考えていたので、ボルドー駅に行き、インフォメーションのおねえさんに英語で尋ねた。

「サン・セバスチャンに行きたいのですが、どの電車で行けますか?」

すると、インフォメーションのおねえさんは感情なく、かつ、極めて流暢な英語でこう答えた。

「私は英語を話しません。」

このおねえさん、インフォメーションの席に座っているくせに、まったく箸にも棒にもかからない感じだった。




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2009/01/23

事業の再構築

日本企業で働いていたころ、しばらく忙しそうにしていた先輩のNさんがなにやら資料を見せてくれ、こう話しかけてきた。

「今度の役員会にこんな資料を出すことになっているんだ。」

見ると、その資料のタイトルは『△△事業の再構築』となっていた。

「へぇー、そんなことやってるんですかぁ」

すると、Nさんはニヤリとしながら、こう質問してきた。

「ところで、事業の再構築って、英語でなんていうか知ってるか?」

「・・・うーん・・・・わかりません」

Nさんは感情なく一言。

「リストラクチャリング」

「あっ!!」

でも、Nさんは、こう付け加えるのを忘れなかった。

「言っとくけど、このプランに人員削減の予定はないぞ!!」



日本ではいつから「リストラ」という言葉が、「首切り」のような意味のみになってしまったんだろう。

別の先輩Wさんは、医師の制止を振り切って、こう言って出社してきたことがある。

「これ以上、寝てたらリストラされます!!」

このセリフなんか、元の意味をあてはめると支離滅裂だ。



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2009/01/22

シュレッダーとSOX

あるとき、会社で久々にちょっと時間が空いたので、僕は机にたまったいらない書類などを大量にまとめて処分をすることにした。

いらない書類をシュレッダーの横に積み上げて、

機械が詰まらないように少しずつシュレッダーに入れていると、

たまたま横に英国人エクスパットのエバンズさんがやってきた。

エバンズさんは、大量の書類をシュレッダーにかけているのを見て一言。

"Oh! Sarbanes-Oxley Act"

(Sarbanes-Oxley Act ;「サーベンス・オクスリー・アクト」、SOX法)

「・・・・・」

あれー、SOXは、書類を廃棄するルールだったんですかぁ?




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2009/01/21

木浦で女の子に「オッパ」呼ばわりされる

韓国に旅行にいったときのこと。

特に目的もなかったのだが、木浦(もっぽ)というところを目指していた。

木浦(もっぽ)は朝鮮半島の左端、つまり西南角にあり、木浦までいけば、行き着くところまで行ったことになる、という気がしたのだ。

光州(くわんじゅ)からバスに乗って、角の町、木浦を目指した。

途中の道にはあまりものがなく、信号も少なかった。

さて

木浦(もっぽ)の町について、港を一周していると温泉マークのついた「旅人宿」を発見した。

旅人宿は表通りからちょっと10メートル入ったところにあって、看板がなければほとんど普通の民家と変わらない。

ガラスの引き戸をたたいて、タタキの中に入ると、玄関に小学生高学年くらいの女の子が出てきた。

僕がたどたどしい韓国語で聞いてみた。

「ここ、旅人宿か?」

すると女の子は、なにやらいろいろ言ってくれたのだが、何を言っているのかよくわからない。

どうやら

「アジョッシ(おじさん)がいない」

と言っているようだった。

なので、僕は

「アジョッシを待つ。」

と言って、玄関に腰掛けると女の子が困ったように早口で言った。

「オッパ ×☆▽○%&■!!」

女の子が何を言っているのかはあまりよくわからなかったが、僕は「オッパ」と呼ばれたことにびっくりしていた。



「オッパ」というのは、女性のみが使う、年上の男性に対して呼びかける言葉である。

米国の留学寮でずいぶんいろいろな韓国人と接してきたが、年齢・性別によって使い分ける複雑な呼びかけ語を理解するのにずいぶん時間がかかった。

留学寮での韓国人体験の記憶を元に、図(?)にするとこんな感じだ。

男性 ----> 年上男性; ヒョン
        年上女性; ヌナ

女性 ----> 年上男性; オッパ
        年上女性; オンニ


しかし、留学寮中に、僕は彼らから「オッパ」呼ばわりされたことは一度もない。

逆にもし、これを使ったり、使われたりするってことは、韓国コミュニティーに入る、つまり韓国年功序列社会に組み入れられる、ってことを意味すると体感していた。



そうこうするうちに今度は問題のアジョッシ(おじさん)が帰っていた。

でも、僕の韓国語能力が低いだけなんだけど、おじさんの韓国語もよくわからなかった。

そうこうするうちにアジョッシは突然

「あいうえお、かきくけこ、おとうさん、おかあさん・・・・」

と日本語の単語を列挙して

「国民学校に4年生までいた」

と言って少し怒ったように言い、ここに行けと言わんばかりに、何かをメモしてその紙を渡してくれた。

メモの紙には、「宿の名前らしきものと電話番号」が書いてあった。

この家は「旅人宿」ではなかったのか? それとも僕は断られたのか?

なんだかよくわからんまま、僕は指定された宿に向かったのだった。




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2009/01/20

スポンサーは私

僕は、あまりそういう言い方を聞いたことがなかったが、自費で留学していることを"Self-sponsered"というらしい。

この言い方って、とっても何というか、自己ビジョンがあって迷い無く、人生を送っているように聞こえてしまうのは気のせいかなぁ・・・。

スポンサーがセルフって・・・。

結局、勉強しているのも自分、金を出しているのも自分なわけで、本来区分できないはずの自分を無理やり分けている、という意味でやっぱり西洋的というべきか。



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2009/01/19

これは、「あんぽんたん」だ

外資に勤めるある知人に聞いた話。

あるとき、フランス人のエクスパットが赴任してきて、最初に日本人の部下を集めてしばしば英語で話をしたそうだ。

ところが、このフランス人、英語を話すときのフランス語訛りがとても強い。

例えば、何か言いたいことを言うたびに、最後に

「これは大事だ」

ということで、

"This is important" 

と繰り返し言う癖があったのだが、この決めフレーズを言うときのフランス語訛りが強すぎ、

「ディス イズ アンポータン

というように発声していた。

 (訛りというより、単語ベースでフランス語そのままだ)

このフランス人外資エクスパットは、日ならずして日本人の間で

 「あんぽんたん」

というあだ名が付いたのだった。



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2009/01/18

上海の日式カラオケ

珍しく上海に出張したときのこと。

先輩のNさんに、同期入社のE君がいろいろと案内してくれ、夕食になにやらトリの足がホネホネのまま入った中華スープを食わせてくれたりした。

夕飯を食べ終わる頃、E君がいった。

「さて、このあとどうする? 飲みに行く、カラオケか、マッサージか、それとも・・・・」

「・・・・」

「まあ、カラオケにするか。」

といって、携帯を掛けて中国語で予約を始めた。

なにやら、『ぴゃおりゃん(綺麗)な小姐』、が居るか居ないかなんて聞いている感じだ。

どのお店も『美人が居るか』と聞かれたら、居るって答えるに決まってるじゃないかと思ったが、

でもカラオケに行くんじゃなかったのか?

10分後、タクシーでカラオケ店の前に到着。

エレベータを2階にあがりながらE君は、こう説明した。

「カラオケには、日式と、台湾式があるんだけどさ、人数が少ないから日式にしたから。」

「何が違うの?」

「日式は人数課金、台湾式は部屋数で課金だ。」

「ふーん」

入った感じは、やや豪華なカラオケボックスという感じだ。

「入って、そっち、すわって~」

座ったところで、肩を出した衣装のスタイルの良い若ーい女たちが10人ほどゾロゾロ入ってきた。

座った僕らのテーブルの前に一列に並んでいる。

「これがカラオケの当たり前だから。はい、じゃあ、選んで~」

「は?・・・え、何人選ぶの?」

「バカ、一人に決まってるだろ。

 この店は70人くらい、女がいるらしいから、気に入らないって言ったら、

 また、ホントにずらっと次の10人が出てくるから。」


「ええっ!!」

顔をあげると10人が全員、こちらを注視している。全員すごく若そうだ。こんなに見られると、こっちの方が恥しい。

「じゃあ、彼女。」

そういって、左から三番目の彼女を示すと、彼女がこちらにやってきた。

すると、NさんとEは、あっさり、それぞれ指名を完了し、指名に漏れた残り7人は立ち去って行った。

Eがこういった。

「言っとくけど、彼女たちは一緒にカラオケするだけだからな。」

さて隣に来てくれた女の子は僕の方を向いてにっこりし、ポケットから小さな紙切れとペンを取り出した。

漢字で筆談を始めるのだ。

彼女は、自分の名前と西安と紙に書いてみせてくれた。そして身振りで僕の名前を書けといっているようだ。

ちらっと横を見るとNさんとEもしゃべりながら、紙に名前を書いてやりとりしている。

ここはカラオケボックスじゃなかったのか?

指名してから僕らは、筆談とつたない中国語でコミュニケーションをし、

30分くらいしてからようやくカラオケを始めた。そんなものらしい。

僕は彼女と一緒にカラオケをうたった。

19才の西安出身の彼女は、しきりに次の出張はいつか聞いてきた。でも、そんな予定はない。

店を出るときに、僕は二度あうことのない偶然指名した彼女に手を振り、Eと一緒にタクシーに乗り込んだ。

万一、次に出会うことがあっても僕には彼女を認識できないだろうと思った。

幸か不幸か、それ以来、僕には上海出張の仕事はなく、今でも上海出張というとカラオケを思い出す。




こんなことはルーチンに中国出張する人にとって、いまさら言うまでもない当たり前のことなのだが、案外こういう内容がエクスパットや、外資の人間には未知の世界だったりするのである。



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2009/01/17

お辞儀をするのは俳優だけ

アメリカ滞在中に僕の英語の先生だったギャビーは、東洋人が自己紹介しながらおじぎをするたびにいつもこう言って指導した。

「決してお辞儀をしないこと。

 この国で、お辞儀をするのは、俳優だけです。」


ここでギャビーが言っている俳優がお辞儀をするっていうのは、どうもカーテンコールのときにやる、あの大げさな全身を使って観客にやってみせる、あれのことらしい。



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2009/01/16

組合の候補を応援してあたりまえ

昔、とある田舎の日本企業の工場で働いていたときのこと。

職場にいた組合幹部のNさんがやってきて、こう説明を始めた。

「今度、この×××市の市議会議員選挙がある。組合から候補を出してるからな。」

「はぁ」

「明日、ここに△△候補がやってくるからな、よろしくな。」

「あの~、組合で市議会議員を出すのはなんでなんですか?」

「議員がいれば、工場でなんかあっても大丈夫だろ?」

「はぁ、あの~、市民として普通に投票しちゃだめなんですか?」

「組合員なんだから、ちゃんと組合の候補を応援してあたりまえだろ」

「会社とか、組合とか言う前に、ただの市民だと思うんですけど」

「×××市がこの工場の操業停止を決議したら大変なことになるんだぞ!!

それをわかってるのか!!」


Nさんという人物は、どうやら日本国民である前に、組合員であるらしいのだった。



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2009/01/15

IRN-BRUの報酬

さて、英国からIRN-BRU缶12本をもって会社にお土産として届けた僕。

復帰最初の朝に出勤して、注文主のスコットランド人ルーニーに会うと彼の方から声を掛けてきた。

「ハロー、UKはどうだった?」

あまり回答になっていないかもしれないが、僕はとにかくアピールすることにした。

「IRN-BRU持ってきたよ。ミッション・コンプリートだ。ほら12缶。」

するとルーニーはこう言った。

「おお、すばらしい!! 早速、君のボーナスを倍にしよう!!」

僕の給料がその後も特に変わらなかったことは言うまでもない。



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2009/01/14

IRN-BRUの爆発

いろんな経緯により、英国出張からIRN-BRUというあやしい炭酸飲料12缶をお土産に日本に持って帰ることになった。

もちろん、こんな液体でしかも中身の見えない缶に入っているものを機内持ち込みできないから、トランクの一番下に詰め込んで、飛行場で預けて飛行機に乗って帰ってきた。

やけに重たいトランクを引きずってようやく自宅に帰ってきて、トランクを開けると、なにやらあやしいにおいがした。

ふと見ると、トランクの中の僕のシャツがびっしょり濡れているではないか!!

犯人は、IRN-BRUだった。12缶のうちの1缶が、おそらく飛行中に気圧差で爆発し、アルミ缶が縦にぱっくり割れていた。


IRN-BRUの爆発写真




おかげで、トランクの片側下半分に入っていた僕のシャツやら、お土産やらはIRN-BRUに浸かってあやしいにおいをぷんぷんさせていた。

スコットランドの国民的男性飲料は、一部の缶に不具合があるようですので、日本持ち込みの際にはくれぐれもご注意ください。



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2009/01/13

IRN-BRUを買ってきてくれた英国人

スコットランド人外資エクスパット、ルーニーの業務命令によって、IRN-BRUなる謎のドリンクの購入という使命を負って、英国出張にやってきた。

まず、街角にある小型の有名小売店「マークス・アンド・スペンサー」に行く。
店内を一周したが、見当たらない。一応、缶のルックスはわかっているのだが、見落としたのだろうか。

翌日の午前中、出張相手先の英国人女性のケイティさんにその話をすると、

「マークス・アンド・スペンサーにはないかもねぇ・・。でも、店ではたいていあるわよ。」

と言ってくれた。

その日の午後のこと。昼休みを使って、ケイティさんは、なんとわざわざ、IRU-BRU 6缶パックを2セット買って、持ってきてくれた。

「IRN-BRUあったわよ。はい、どうぞ」

「ホントにどうもありがとう!! いくら払ったらいい?」

「お金はいいわ。ルーニーによろしくね!!」

お金も受け取らず、にこやかにしているケイティを見て、なんていい人なんだ、と思いつつ、僕は350mlのIRN-BRUを12缶、日本まで持って帰らなければならないという重さをどうすればいいんだ、と考えていた。



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2009/01/12

IRN-BRUはポピュラー?

さて、IRN-BRUの購入という業務命令(?)を背負ってUKにやってきた僕だったが、訪問先の英国人女性Fさんにちょっと聞いてみることにした。

「IRN-BRUっていうジュースを買ってこいって言われてるんだけど、どこで売ってますか?」

「そうね。IRN-BRUなら、その辺のTESCOとかのお店に行けばたいがい売ってるわよ。」

「ルーニーがいうには、UKではすごいポピュラーで、誰もがみんな飲んでるって言ってましたけどホントですか?」

それを横で聞いていたメキシコ人のM氏が一言。

「キミは騙されている。それは絶対ウソ。」

Fさんはちょっと考えてからこう答えてくれた。

「私はずいぶん長い間、飲んでないわ。」

同じく英国人女性のDさんは

「あまーい炭酸。男しか飲まないイメージね。マッチョなドリンクなのよ。」

その日の夕方、駅の売店でペットボトルのIRN-BRUを発見して買って飲んでみた。
薄いオレンジ色の人工的な液体。濃い炭酸。炭酸にまざらない重くてやや甘い味。
飲み終わってもさっぱりしない感じ。。。。

う~ん。。。。なんなんだこれはいったい。



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2009/01/11

IRN-BRUの「自慢」をされる

あるときスコットランド人外資エクスパットのルーニー、UKに出張することになった僕に向ってこう言った。

「UKに行ったら、IRN-BRUを買ってきてくれ」

「は? アイルン・ブルー?」

「IRN-BRUは、スコットランドの心のドリンクだ。ほかのことはどうでもいいから、頼んだぞ」

「ドリンク?」

これだ、といって見せられたホームページがこれ。
http://www.irn-bru.co.uk/

「IRN-BRUはアメリカでは売っていないだ。なんでだかわかるか?」

「なんで?」

「アメリカのFDAが、製造方法を確認しようとしたときに、製法は秘密だって言って資料の提出を拒否したんだ。だからアメリカには売っていなんだ、ハッハッハハ!!」

それって、威張ることなのか・・・。




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2009/01/10

「霊長類の惑星」

以前に、とある動物園の飼育係の方がこんな雑談をしてくれた。。

「テナガザル、っていうのは名前がおかしいんです。」

「???」

「テナガザルは名前の後ろに『サル』ってついてますけどね、サルじゃなくて、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンなんかと同じ霊長類なんです。英語では『ギボン』("gibbon")っていうんです。だから、『サル』っていうのは失礼なんですよ。」

僕は、話を聞きながらこんなベン図を思いうかべた。

  ・広義の『サル』 = 霊長類 + 狭義の『サル』

この関係が正しいとすると、別にテナガザルを『サル』と呼んで悪いことはないんじゃないかと思う。

「霊長類は英語で"Ape"っていいます。ほら、『猿の惑星』って映画があるでしょ。あれは日本語がおかしくて、原題は"Planet of Ape"だから、本当は『サル』っていったらおかしいんですよ」

なかなか面白い話である。さっきの関係式にこれらの英語を当てはめてみる。

   ・広義の『サル』 = 霊長類("Ape") + 狭義の『サル』("Monkey")

じゃあ、広義の『サル』は英語でなんていうんだろう?


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2009/01/09

学問の自由を保証する骨折送迎バス

友人宅の階段でコケて足を骨折した日本人ヨシコは、しばらくの間、足を石膏で固めて松葉杖をつきながら、留学寮の中を移動していた。

  (関連記事)階段骨折で損害賠償は常識?

さて、そんなある日のこと。松葉杖のヨシコにあったので、聞いてきた。

「足はどう? いろいろ不便でしょ。学校に行けてるの?」

「毎日、行ってるよ。しかも、車で行ってるんだよ。」

「えっ、どういうこと?」

留学寮から学校までは、だいたい徒歩5分くらいの距離だ。

しかも、寮暮らしの彼女に車なんてあるわけない。

「それがさぁ、私みたいに骨折している学生のための送迎車っていうのがあるのよ。

 毎朝、私のためにこの留学寮の前まで来てくれんの。

 すごいでしょ。」


「それって、学校のサービス?」

「うん、そう。

 骨折している人って、みんなアメフトとかのスポーツマンの男子学生ばっかりよ。

 しかも毎日メンバーはだいたい一緒だから、送迎車に乗るときにみんなで、

 『ハーイ』って言ってくれたりしてるうちに、仲良くなっちゃった。」



それが、授業料に入っていると言ってしまえばそれまでだが、

はたして日本の大学で、骨折者のために送迎バスを出しているところはあるのか?

僕はなぜか、

「学問の自由は、これを保証する」

という憲法23条を思い出し、思い浮かべてしまったのだった。



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2009/01/08

配属は購買を希望!!

昔、日本企業で働いていたころ、Kという新人が配属されて入ってきた。

職場の親分は、僕に新人Kの面倒を見ろという。

さて

Kに仕事の説明をすることなったが、なるべくやりたいことをやらした方がいいだろうと思って、どんなことをしたいのか聞いてみることにした。

「K君はさぁ、どんな仕事がしたいと思っているのかなぁ?」

すると彼はこう答えた。

「ボクは、もともとこんな部署を希望してないんですよ。」

「そうかぁ・・・ 何が希望だった?」

「入社面接のときにも言ったんですけど~、僕は購買がしたかったんです。」

「購買!! 珍しいなぁ~」

「はい。面接でもそう言われました。普通はみんな営業希望だって。」

「でもさ、なんで購買なの?」

「あの~、思うんですけど、モノとか売るの大変そうじゃないですか~」

「うん」

「売るのは大変だし、だったら買う方になった方が絶対いいと思ったんですよ~」

確かに・・・。それはそれでもっともだ。

それにしてもこいつは、それを面接で言い放って入社してきたのか?


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