2011/04/30

アメリカ企業とヨーロッパ企業の違い(その2)

「目標を全部達成したのに、なにが問題?」

ベルギー人Fはここぞとばかりに強調した。

「うん、いい質問だ。

 そして、その点こそがアメリカ企業とヨーロッパ企業との違いなんだ。」


「なるほど」

「いいか、そのアメリカ人はこういう風に言われたんだ。

 『目標を全部達成したのは一見良いことのようにも見えるが、

  実は、目標自体がチャレンジングでなかったことを意味している。

  お前は、しっかりがんばりきらないと達成しない目標を立てなかった。

  もしチャレンジングな目標を複数立てていれば、全部すべて達成したりはしなかっただろう。

  だから、評価しない、と。」


「うーむ、なるほど・・・。」

「ヨーロッパよりもアメリカ企業の方が、チャレンジに重点を置いてるんだ。

 逆にいうとアメリカでは目標を全部を達成したりしないが、部分的でも達成できたことを積極的に評価する。

 ヨーロッパはもう少し目標がコンサバだ。」


「じゃあ、日本はどう見る?」

「オレの見るところ、アメリカを積極的チャレンジの端とすると、日本が保守的の反対の端で、ヨーロッパは真ん中という感じかな。」

同感だ。

日本企業では無難な目標を立てて置かないと、達成できなかったことでネガティブに評価される感じだ。

しかも難しいことを達成した場合にについて、積極的に評価される感じが全くしない。

なぜかはわからないが、日本では他人を積極的に評価すると、そのことで自分の評価が下げられてしまう恐れを感じるときがある。

つまり、

『お前はあの程度のことを評価するのか』

と言われそうで、進んで他人を評価しにくいのだ。

この窮屈感を変えるには一体どうしたらいいのだろう?



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2011/04/27

アメリカ企業とヨーロッパ企業の違い(その1)

ある日、僕はアメリカ企業にエクスパットとして日本に来ているベルギー人Fと話しこんでいたときのこと。

いろいろな話をしているときにたまたまFが言った。

「アメリカの会社は、ヨーロッパの会社とは違うんだ。」

ベルギー人の発言である。なかなか興味深いと思って、質問してみた。

「悪いけど、ちゃんと理解できたと思わない。

 それって、どういう意味?」

するとFはかなり丁寧に説明を始めた。

「そうだな・・・。例えば、こういうことだ。

 個人のチャレンジについての考え方が違う。」


「?」

「その昔、俺はヨーロッパの会社にいたんだ。

 そのあとアメリカの会社に移って、それから日本に来た。」


「うん」

「アメリカの会社に移ってしばらくしてから、個人の年間目標評価の面談があったんだ。

 オレは年間目標のすべてをクリアして、面談に臨んだ。

 もちろん、褒められると思うだろ?」


「うん、当然」

「ヨーロッパの会社でもそうだ。

 ところがだ、そのアメリカの会社ではそうはならなかった。

 アメリカ人上司には全く褒められなかったんだ。」


「目標を全部達成したんでしょ!?」

「その通り。

 でも、その逆にその上司には『だから、ダメだ』と言われたんだ。」




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2011/04/24

ランブータンの剥き方



ある日のこと。

昼休みの後、クアラ・ルンプールの会議室にいると華僑Hが白いビニール袋を提げてやってきた。

スーパーかどこかで何か買ってきたみたいだ。なにか食べ物が入っているに違いない。

「なにか買ってきたの?」

「ドリアン探してきた。」

「えっ、ドリアン・・・」

と身を引きかけると、

「大丈夫。心配しないで。

 ドリアン見たけど、イマイチ良いのがなかったよ。」


「ふーん」

「だから、替わりにランブータンを買ってきた。

 食べる~?」


「うん。ちょうだい。」

買ってきた袋を見ると、ランブータンがホールでごろごろ入っていた。

「あのさ、どうやって食べればいいのかな?」

ホテルなどで食べるときには、当然切ったりしてあってそのまま食べられるのだが、ホールで渡されてもどうしていいのかよくわからない。

「じゃあ、ランブータンの剥き方を教えるね。左手で下半分を持って。」

 Hのやるのを見ながら、毛むくじゃらのランブータンを一つ取って左手でつかんだ。

「で、上から右手でつかんで、一気にすばやくまわす!!」

ランブータンの上半分を右手でつかんで、一気に回転させると、毛のついた皮がプリッと取れて

中から白い身が出てきた。

やっぱり剥きたてはみずみずしい!!

フルーツはなんでもホールからの剥きたてに限るね。



マンゴスチンは危険?


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2011/04/23

オキナワ・クリスチャン・スクールの校則

オキナワ・クリスチャン・スクールのアルバムと一緒に、"スクール・ルール"という一枚のプリント紙が出てきた。

それには、こんな内容が箇条書きに記されていた。


1.部屋や廊下で走らない

2.叫ばない

3.ぶったり、蹴ったり、押したりしない

4.良い子でいること

5.Miss W(先生の名前)の言うことを聞くこと

6.ゴミはゴミ箱に入れる

7.学校の裏や、岩のところに行かない

8.石を投げない



幼稚園全体の校則というより、担任でお世話になったMiss Wの決めた個人的なルールだと思われる。

道徳的な内容というよりも具体的な禁止事項、特に1と2が目を引く。

 1.部屋や廊下で走らない (Don't run in the room, or on the walkway)

 2.叫ばない (Don't scream)

日本の感覚としては、幼稚園の子供なんて、走ったり叫んだりしてあたりまえだし、そんなことを禁止できないとハナからあきらめているようにも見えるが、アメリカン・スクールでは禁止ルールの第1と第2だったのだ。

欧米人は日本人みたいにオフィスで絶対に小走りしたりしないが、子供の頃から『室内を走ってはいけない』ときつく教え込まれているのに違いない。


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2011/04/17

オキナワ・クリスチャン・スクールのアルバム

片付けをしていたら幼稚園のアルバム一式が出てきた。僕の幼稚園の卒業アルバムは「オキナワ・クリスチャン・スクール」のものである。

オキナワ・クリスチャン・スクールは沖縄米軍基地に赴任する軍関係者の子女のために作られたアメリカン・スクールであり、幼稚園から高校までが同じ敷地内にまとめられていた。

僕は毎朝、太い腕に金色のうぶ毛が生えたドライバーさんが運転するスクール・バスに乗り込み、当時住んでいた那覇市内から国道58号線を通って、米軍基地の戦闘機を横目に見ながらクリスチャン・スクールに通っていたのだ。

クリスチャン・スクールというだけあって、アメリカ人の先生から英語でジーザス様のお話を聞き、ジーザス様のプリントにクレヨンで色を塗っていた記憶がある。

アルバムの1ページ目には、いろいろな年代と出身国を代表してわずか9名の生徒が振袖を着たり、スカーフをかぶったりして国際性豊かな学校を表しているのだが、なぜかこの中に僕が浴衣を着て写っている。

母親に聞いてみた。

「あのさ、なんで僕はアルバムのトップページに写ってるの?」

「いいじゃないの。」

「だからさ~、途中転入なのになんでこんなところに幼稚園を代表して選ばれてるわけ?」

「もっとカッコイイ男の子や、美人の女の子はいたのだけど、

 あなたは顔がとっても日本人だがら浴衣が一番似合ったのよ。」

「・・・」

つまり、各世代と多様な民族性を表す写真に適当だったということか。

ところで、日本と違って、アメリカの学校アルバムはWeb化が進んでおり、30年も前の『オキナワ・クリスチャン・スクール』のアルバムはしっかりオンライン化されている。

YearBooksのサイトはこちら
http://www.e-yearbook.com/

きっと平均的なアメリカ人は幼稚園から高校、大学までの学校アルバムが一通りオンラインで見られるから、場所を取る大きなアルバムを廃棄できるに違いない。もちろん有料だけどね。

一方、僕はと言えば、幼稚園だけのためにYearBooksに入るのもばかばかしく、したがっていつまでも重たいアルバムを捨てられないままなのだった。

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2011/04/14

マイケル・ジャクソン・ドリンク

ある日のことマレーシア華僑のHがやってきて言った。

「マレーシアに『MJドリンク』、っていうのがあるのを知ってるか?」

「なにそれ?、知らない」

「じゃあ、マレーシアに来たら飲ませてあげる」

「ありがとう。で、MJってなに?」

「あなた、マイケル・ジャクソンを知らないの!?」

「もちろんマイケル・ジャクソンを知ってるけど、ドリンクってどういうこと?」

「だ・か・ら~、『ブラック&ホワイト』よ!!」

「は?」

なんだか全然よくわからない。

実際にマレーシアに行って見たドリンクはこんなものだった。

次のリンクのページ下段の写真
http://onemalaysia.tripod.com/id10.html

黒い物体はゼリーのようなCincauというもの。白い液体はSoy Milkらしい。

黒いゼリーについて
http://en.wikipedia.org/wiki/Grass_jelly

二つ目のリンクはCincauについてのWikiのページだが、確かにマレーシア・シンガポールではマイケル・ジャクソン・ドリンクとして知られると書いてある。

つまり、マレーシア人Hはその場で思いついたギャグを言ったのではなく、ごくフツーにこのドリンクを呼んだだけだったのだ。


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2011/04/10

ジューミー知ってる?

その日、たまたま仕事の都合があり、僕は30年ぶりに沖縄・那覇の地に降り立った。

父親の仕事の都合で沖縄に引越し、僕は幼稚園~小学校低学年まで那覇に住んでいた。

が、幼すぎて沖縄のことはぜんぜん何も覚えていない。

こうして何も記憶にないのにアイデンティティーのみが存在する、という奇妙な状況を僕は抱えていた。

(それでも僕は沖縄の何かを知っているはずだ・・・・)

かすかな手掛かりを求めて、ホテルのインフォメーション・センターを訪れた。

普通は「首里城への行き方を教えてください」とか、「観光モデルコースを紹介してください」とかを頼むところである。

デスクには人のよさそうなお姉さまが座っていた。

「こんにちは。」

「はい。こんにちは。」

「あのー・・・・・

 『じゅんみー』って、分かりますよね?・・・・」

「あっ、『ジューミー』ですね。はい。」

 お姉さんの発音はやや僕の『じゅんみー』と異なっていた。

「あのですね。『じゅんみー』を見たいんですけど・・・、どこ行ったらいいですか?」

『じゅんみー』というのは小型のミドリ色のトカゲである。幼児の僕は那覇港近くのきゃべつ畑で毎日のようにこのトカゲを右手で握って捕まえていた。

(記憶喪失の人は、なにか象徴的ななにかを見ると記憶を回復することがあるのだ・・・)

ジューミー(=アオカナヘビ)の画像へのリンク
http://homepage3.nifty.com/japrep/lizard/kanahebi/text/aokana.htm


「ジューミー・・・・最近見なくなりましたねぇ~。

 那覇ではすっかり見なくなりました。」


「えっ・・・那覇にいない・・・、じゃあ動物園とかにいますか?」

「うーん、・・・・ジューミー・・・動物園・・・たぶんいない・・」

まあ、そうなのだろう。

本土の感覚でいうと、きっとドジョウを水族館でみたい、とか聞いているのに等しい要求だ。

「じゃあ、どこに行ったら見れます?」

「そうねぇ・・・。運が良ければ、その辺にいるけど・・・ねぇ・・・。」

デスクのお姉さんは、振りかえってもう一人のお姉さんに訪ねた。

「ねえ、ジューミー、知ってる?」

「?」

「みどりのトカゲ。。。。中部(沖縄本島中央部)では、別の名前なのよね、アンダチャーとか。。。」

「あっ、アンダチャーね。・・・・そういえば最近、見ないですね。」

本物を見せられない替わりなのか、デスクのお姉さんは複数のホテル従業員に聞き込みをしてくれ、那覇の大半は『ジューミー』、中部は『アンダチャー』、宮古では『・・・』(ごめんなさい忘れてしまいました)などとまとめて教えてくれた。

突飛な要求に対してもやさしいデスク2人だが、なんで大の大人が小さなトカゲにこだわっているのか、さぞ疑問に思っただろう。

さて、こうして僕はジューミーは別名『アンダチャー』という情報を得て、失われた沖縄の記憶を求めて那覇の町に出ていくことにした。


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2011/04/07

回顧展・レトロスペクティブ

あるときフランス人Sと雑談をしていたときのこと。

「知人Kは土日に、日本人アーティストAの回顧展を見に行くんだって。」

するとSは事も無げにこう言った。

「そう。。。つまりその日本人アーティストAはもう死んでるってことね。」

(ちょっとドキッとしながら)

「え、あっ、きっとそうだね。昔のアーティストだから・・・・・」

しかしSはフランス人らしく明快だった。

「だって、回顧展なんでしょ?!」

そうなのだ。

そもそも「回顧展(retrospective)」とは昔の作品を並べるという意味なのではなく、故人の作品展という意味なのだ。

以来、僕は「回顧展」と書いてあるポスターを見る度にSの言葉を思い出して、独り言を言う。

(つまり、死んでるってことね。)



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2011/04/02

ドライヤー用の壁掛けフック

スポーツクラブであまり見慣れないドライヤーを発見。家に帰ってから検索してみるとスイスのRezという会社のものと分かった。

Rezのサイトへのリンクをつけておく。
http://www.rez-ag.ch/englisch/prod_vendaval_vs_e.html

これは「壁掛けドライヤー」とでもいうべき機器で、簡単に言うとドライヤーを送風口を下に向けた状態で壁に固定した感じだ。

結果、スイッチボタンを押して作動させると手ぶらで髪の毛を乾燥させることができる。

おおーっ、スゴい!!

こんな便利なものを、なんであんまり見かけないんだ??・・・・
でも・・・子供はどうやって使うんだろう???

あらためてよく考えてみるとドライヤーの使用って、シャワーのそれに似ている。

ハンズ・フリーにして両手を使いたいこともあるし、とはいえ手にもって、吹き出し口を微妙に調整したいこともある。。。

じゃあ、シャワー同様に普通のハンド・ドライヤーを壁に掛けるためのフックがあればいいんではないか?

家庭用のドライヤー・フック。

でも、そんなものは見たことない。。。。

なんで無いんだろう???


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