2011/05/29

ドブに棲むグッピーと氷屋

「子供の頃、那覇市内のドブでグッピーを掬っていた」、と言うと必ずウソと言われる。

なんといってもグッピーは熱帯魚専門店に並んでいる観賞魚だし、今まで一度もまともに納得して聞いてもらったことがなく悔しい思いをしてきた。

そんなことを30年も続けるともう自分の記憶に自信が持てなくなってくる。

確かに当時も、ドブにサカナがいる場所は限定されており、どこでもいるという訳ではなかった。

ドブのサカナを追っていくと氷屋の工場があり、その工場からはきれない水が滝のようにゴーゴーと音を立ててドブに流れ込んでいた。

この世にも珍しい水源によって、周囲数ブロックのドブには常にきれいな水が流れておりフナやグッピーなどの淡水魚が棲みついていたのだ


だから、30年ぶりに那覇に来たからにはなんとしても現場を確認したかったが、どうみてもドブには水はなかった。

(場所が違うのだろうか?)

記憶を頼りに道を行ったり来たりして約30分、ふと見覚えのある氷屋の看板を発見した。

(氷屋は残っていたのだ!!)

何となく氷屋の入口で看板を眺めていると、ドアが開いて中から男が出てきた。

思わず声をかけていた。

「あのー・・・昔、この周りのドブでグッピーとか採ってたんですけど・・・今はいないですかね~?」

すると沖縄人らしい丸い目をクリクリさせながら30くらいのおにいさんが答えてくれた。

「懐かしいねぇ~・・・。

 今、それ知ってる人、少ないよ!!。

 そこの道の先に駐車場があるでしょ。」


「あー、はい。」

「あの駐車場が昔の工場があったところ。」

「へえ~」

「工場には井戸があっただけど、今は上から井戸に蓋をして駐車場にしちゃったんだ。

 今でも井戸は残ってるはずなんだけどね・・・」


「・・・・」

「そうそう、一度ドブのフタの下に子供が入り込んで出られなくなって大変だったんだよ!!」

(!!)

大きなサカナには側溝のフタのある部分に逃げられて、いつも悔しい思いをしていたのだ。

サカナを追ってフタの下から出られなくなった子供の気持ちが手に取るようにわかった。

「懐かしいねぇ~」

普段ほとんど誰とも共有することのない風変わりな記憶を僕らは交換して、そして別れた。

だから今の僕は自信を持って人に言える。

「子供の頃、那覇市内のドブでグッピーを掬っていたんだよ」



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2011/05/14

マンゴスチンは危険?



ランブータンの剥き方の続き。

華僑Hはこんどは別の袋からマンゴスチンをゴロゴロ取りだした。

「マンゴスチンもあるよ~。食べてみて。」

「おおーっ、これがマンゴスチン。」

なんでも親切に教えてくれる華僑Hが実演してくれた。

「マンゴスチンの剥き方はこんな感じ。

 手のひらを組んでマンゴスチンを一個、手のひらの間に挟む。」


「うん、それで」

「で、手のひらの一番下の部分に力を入れて、マンゴスチンを押しつぶす感じ。」

カバッ!!

すると、赤茶色のマンゴスチン分厚い皮が割れて中から白いジューシーなフルーツ部分が出てきた。

「わかった。やってみる。」

マンゴスチンを手のひらの皮膚の一番厚い部分に挟んで、下向きに力を入れようとしたときHに止められた。
 
「あ、待って!!」

「ん?」

「マンゴスチンの皮の赤い汁は服につくと取れないの。

 だから、もっと身体から離してマンゴスチンを外に向けて開くようにやってみて。」


カバッ!!

手で剥けるフルーツってみかんだけかと思っていたが、ランブータンもマンゴスチンもお手軽なフルーツだったのだ。


ところでマンゴスチンの皮に含まれる汁は染料(黄色の)につかわれるほどのものらしい。

WIKIマンゴスチン

あぶない、あぶない。


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2011/05/07

インド・車にしがみつく男たち

ジャイプールからデリーに戻るのにドライバーのLは普通に車を飛ばしていた。

と、野原の真ん中を進む道路の真ん中に人だかりが見えた。



ん、よく見ると車の後部バンパーに足をかけて男が何人も乗っているではないか。



あっちにもそして、こっちにも。

このあたりでは、ごくごく普通のことらしい。

しかも、これらの車は決して低速で走っているのではないのだ。

時速50キロで走るわれわれの車が右側から追い抜いたとき、彼はごく普通に笑顔で見送ってくれた。



じゃあ、お先に~。


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2011/05/04

ジューミーとアフリカマイマイ

ジューミーと30年前の沖縄の記憶を探して、那覇の町を歩いていたがとりあえず食堂に入ることにした。

沖縄料理を食べたら、なにかを思い出すかもしれない。



写真はアーサのお吸い物。沖縄ではきわめて一般的なお吸い物だ。

塩味ベースのお吸い物をすすりながら考えてみた。

別にジューミーでなくても良い。ほかにも子供のころ見た沖縄の公園でよく見かけた小動物はまだある。

例えば「アフリカマイマイ」。

アフリカマイマイとは

茶色い大きなカタツムリだ。

集中して素早く手を伸ばさないと尻尾を切って逃げられてしまうジューミーと違って、取るのは簡単なので夢中になって取ったような記憶はないが、グロテスクな茶色と白の貝殻は幼児期の記憶に焼き付いている。

ちょうどクンブーイリチーのお皿を持ってきてくれた食堂のおばさまに聞いてみる。

「あのー、アフリカマイマイって、まだこの辺にいますか?」

「アフリカマイマイ? 

 うーん。。。。最近あんまり、見ないねぇ~」


「あ、そう。」

ここでもジューミーと同じようなことが起こっている。誰もが当たり前に思っている生き物が知らないうちに消えつつあるのだ。

「昔は食べたけどねぇ~」

僕はちょっと驚いて叫んでしまった。

「えっ、アフリカマイマイって、食えるんですか?」

「うん。昔は食べたよ。

 でもね、何年か前くらいから『寄生虫がいるからアフリカマイマイに触るな』っていう話になってねぇ~。」


「ふーん。」

子供のころ、公園の木の幹に這っているアフリカマイマイを平気で素手で捕まえていたものだ。

あれは危険だったというのか?

「今でも、雨降るとその辺に出てくると思うんだけどねぇ~」

どうやらジューミーもアフリカマイマイも那覇の街中にやってきた観光客にはそう簡単には見られないようだ。



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