2014/12/31

外人に納得して『お通し』の料金を払ってもらう方法


あるとき、カナダ人Aをつれて、沖縄居酒屋につれていったときのこと。

飲み食いしながら、他愛もない会話をしていると、店員の女性がやってきて、自信なさげに質問してきた。

「あのー・・・・、すみません。」

「はい?」

お店ですみませんって言いながら、店員さんを呼ぶことはあるが、店員さんにすみませんと呼び掛けられることはあまりない。

「ちょっと教えてください。あの・・・英語で『お通し』って何ていうんですか?」

よく聞いてみると、最近『お通し』の料金を巡って、外国人客ともめたことがあったらしい。どうやら質問の内容は『英語でなんというか』、ではなく、どうしたらすっきり納得させて料金を支払ってもらうことができるかという点にあったらしい。

せっかくカナダ人Aがいるので、通訳するような形でいろいろ聞いてみる。

「これってさ、注文しなくても出てくるんだよね。」

「じゃあ、シェフのコンプリメント、かな?」

「うん・・・・いや・・・・でも、タダじゃなくて、500円とかかかるんだ。」

すると、カナダ人Aはやや憤慨した表情を見せた。

「なんで注文しないものを支払わないといけないんだ!?」

つまり、この店で発生したトラブルはこの点にあったのだ。勝手に出してきて料金がかかるのはおかしい、と。

「うーん・・・・そういう習慣なんだよ。別にこの店が特殊なわけじゃない。」

「でも、やっぱり、注文しないものを支払うのは納得がいかないな・・・」

「じゃあ、どう説明すれば納得して支払う?」

カナダ人Aは、ジョッキを傾けてビールは胃袋に流しこみながらしばし考え込んで、次のような解決案を出した。

「まず、『お通し』の代金はテーブル・チャージと言う。オレはここに座って飲食しているから、テーブルチャージが500円かかると言われれば、納得して支払うよ。」

「じゃあ、注文しないのに『お通し』が出てくるのはどう説明する?」

「それはこうしよう。まず、テーブル・チャージだといって500円をとる。その上で、『お通し』をお店からの無料サービスだといって出すんだ。これなら注文しないものがなぜ出てくるのか、変な疑問が湧かない上に、とってもフレンドリーでいい感じがするね。」

これを聞いて、すっかり店員さんも店長さんは大満足。



その日は、すごく良いことをしたような気分になりました。


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