2010/02/05

マレーシア; 市民IDって何だ?

マレーシア航空でクアラ・ルンプールに行く飛行機には一部、コタキナバル経由という便がある。

(コタキナバルというのはボルネオ島にあり、キナバル山への入り口になる町である。)

さて、この飛行機に乗ってクアラ・ルンプールに行くと、一旦、コタキナバルに着陸して、ボルネオ島から乗ってくる乗客と、ここで降りる乗客とが一部入れ替わり、再度、飛び立った飛行機はクアラ・ルンプールに到着する。

つまり、この飛行機は、日本->マレーシアの国際線乗客と、ボルネオ島->クアラ・ルンプールのマレーシア国内線乗客が、飛行機の中で完全にミックスしてしまうわけだ。

マレーシアの入国管理局は一体これをどのようにチェックしているのだろう・・・?

という疑問を持っていたので、先日、マレーシアから来たビジターに聞いてみた。

「コタキナバルから、クアラ・ルンプールに飛行機に乗る人は、もしかしてパスポートが必要ですか?」

「いいえ。コタキナバルのあるサバ州はマレーシアです。マレーシア国内便ではパスポートは一切不要です。」

「例えば、成田発、クアラ・ルンプール行き・コタキナバル行きの飛行機では乗客が混ざってしまうけど、クアラ・ルンプールでの入国ゲートで、何か見せないといけないのでは?」

「あっ、それは、市民IDを見せることになっていて、パスポートは必要ありません。」

「市民IDって?」

「市民IDって、市民のIDカードです。」

そういって、そのマレーシアからのビジターはマレーシアの国民IDを見せてくれた。

パスポートを携帯して見せるのと、市民IDを携帯して見せるのと、一体どれほど意味の違いがあるんだろうか?

「ということは、もしかして日本には、市民のIDはないの?」

「ないですねぇ~」

なんでも、マレーシアでは子供が生まれると、みんなこの国民IDカード(写真付き)なるものが発行され、各人常に携帯しているものらしい。実際のカードも見せてもらった。日本の免許証みたいな写真付きカードに住基ネット番号が表示されているようなもののようだ。

「国民IDが無かったら、じゃあ、自分のIDはどうやって証明するの!?

 例えば、警官がやってきて、お前の国籍は何かって聞かれたらいったいどうするの?

 パスポートをポケットから出すの?」


この質問にうまく答えるにはどうしたらよかっただろう。

そもそも日本では、警官が一般人をつかまえて、

「パスポートを見せろ」

とか

「身分証を出せ」

とか言うなどという話は聞いたことが無い。

日本では一般的に身分証を携帯する習慣に乏しく、無い場合にでも無いなりなんとかやっていけるということを、彼らの常識ベースに、簡単に納得させられる方法はあっただろうか?



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2010/02/03

東芝の一部

あるとき留学寮に、日本の商社から一時的に英語研修のためにやってきた「トシヤ」さんという人が来た。

さて

このトシヤさん、寮の同じスイートの人間に会うたびに自己紹介して

「日本から来ました。TOSHIって、呼んでください。」

などとニックネームをいうのだが、非日本人にはこれは、ぱっと覚えられない。

相手が覚えられないと見るや、トシヤさんは間髪いれずにこう続けていた。

「TOSHIというニックネームは、TOSHIBAの最初の部分と同じです。」

とたんに、非日本人連中は例外なく、一度に納得した。

「あぁー、なるほど!!」

日本人男性で、"トシ××"さん、といった名前は少なくないが、このトシヤさんくらいガイジンに自分の名前を覚えさせるのをうまくやった人間は他にあまりいなかった。

もっとも、自分のニックネームを、一企業ブランド名のその又一部と、わざわざ自分から言うのが、一般的に見て、自尊心に反しない行為、と言っていいのかはよくわからない。



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2010/02/01

ケーキを買う経理課長

日本企業にいたころAさんという経理課長がいた。そのAさんがよく語る一つ話にこんなものがあった。


ある日の夕方、Aさんは社長に呼ばれ、

「おい、ケーキを買ってきてくれ」

と言いつかった。

そこでAさん、会社から最も近くでケーキを売っていると思われる近所のデパートに向かった。

ところがデパートの前についてみると、すでに閉店時間すぎのため、入口には警備員さんが立っており、残っている最後の客が出て行くのを待っている状態。

普通ならここであきらめるところだが、社長から直々に「ケーキを買ってこい」と指示されたAさん、

「ちょっと失礼!!緊急なんです!!」

と警備員を振り切って店内に突入。

地下食料品売り場に階段を走って降り、ケーキ屋に行くと、女性店員さんが店じまいのために布カバーを掛けようとしているところ。

「すみません!! 緊急でどうしてもケーキが必要なんです!!」

かくて閉店時間を過ぎたデパートからケーキを買い、無事に社長に届けたそうな。


この話はこれで面白い話なんだが、僕としてはどうも釈然としない。

なんでかというとこの話が、どうもある種の、武勇伝や、美談、自慢話のように聞こえるからだ。

そもそも目的不明のケーキを社長に言われたからといって、ここまで無理をして買ってくるのは、公私混同のみならず、果たして「経理課長」が能力を発揮して果たすべき「仕事」であるのか大変疑問だ。

とはいうものの、日本の大企業ではこうした、親分に対する子分の奉公が、それなりに効果があるのも確かなのだろう。

きっと、こんなことは僕には素ではできない・・・この会社で僕はこの先も気持ちよく働き続けられるのだろうか、そう思い始めていた。

最終的に外資に転職する2年くらい前のこと。



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