あるとき、マレーシアから華人Hがやってきて数日間、英語でシステム研修の講師をやってくれることになった。
研修二日目が始まろうとしたとき、一緒に研修を受けていた日本人Iさんがこう話しかけてきた。
「Hさんの英語って、かなりなまってますよね。」
「そうですね。東南アジア人って感じですね。」
「私、特にHさんが『処理が自動です』っていうときの英語が気になって、気になって・・・」
「なんでまた?」
「あの "Automatic"っていうときの英語がなまっているから、
日本語の『女の子っぽい』っていう意味の
『乙女チック』って聞こえてしまって、おかしくておかしくて・・・」
「ああ、あれね。良く出てくるね。
『オトメ・チック!』ってやつ。」
「そう、それよ!!」
さて、マレーシア華人Hさんは、僕らがこんな会話をしているのを知るわけもなく研修二日目を始めた。
当然のことだが、ときどき間をあけて反応を確認してくる。
「なにか質問はありませんか?」
すると日本人Iさんが手を挙げて質問した。
「念のため確認ですが、こちらの処理はシステムが自動的にやってくれるんですね?」
「イエス、オトメ・チック!!」
必死でこみ上げる笑いをこらえながら、僕も質問した。
「では、こちらの処理は手作業ですか?」
「ノー、オトメ・チーク!!」
もう耐えられない。Iさんと僕は二人して大爆笑。
その後は研修中、Hさんは"Automatic"という語を一切使わなくなり(あたりまえか・・・)、その替わりに"Automated"という語を使って説明するようになってしまったのだった。
(なんだ、つまらないなぁ・・・)
2010/07/24
2010/07/17
ハッピー・ランチボックス!!
あるときビジターを迎えてワークショップをやっていたときのこと。
朝から始めた会議がそのまま続き、お昼近くになったので僕は、
「じゃあ、そろそろランチ・ブレイクにしましょう。」
といって、お昼休憩をとることにした。
普通は、ここでみんなそろって近くのレストランなどに案内することになるのだが、日本人Kが一人こういった。
「すみませんけど、私は家から弁当を持ってきているので、皆様かまわず行って下さい。」
すると、華人Hが女性らしく質問をした。
「弁当は、奥さんがつくってるの?」
「あ、はい。そうです。」
すると華人女性Hは急に大きな声を出して叫び始めた。
「ああー!!
アナタ、それはワタシタチのところで言う
『ハッピー・ランチボックス』
じゃないのーっ!!」
横で聞いていた僕は日本語訳をつけて一人納得した。
(なるほど、日本でいうところの『愛妻弁当』ということね)
ところで華人Hがこんなに盛り上がっているのに、日本人Kは技術屋らしく、とても落ち着いて答えた。
「ハッピーっと言っても、昨日の残り物ばっかりなんですけどね。」
と言っても華人Hはおさまらない。
「そんなの関係ないわ!!
たとえ残り物にしても、アナタの奥さんは、箱につめる作業をしてくれてるじゃないの!!
ワタシなんか、旦那になにもしないで、こうして日本に来ているのにーっ!!」
忘れていた。確か華人Hは先月、結婚したんだっけ。。。
朝から始めた会議がそのまま続き、お昼近くになったので僕は、
「じゃあ、そろそろランチ・ブレイクにしましょう。」
といって、お昼休憩をとることにした。
普通は、ここでみんなそろって近くのレストランなどに案内することになるのだが、日本人Kが一人こういった。
「すみませんけど、私は家から弁当を持ってきているので、皆様かまわず行って下さい。」
すると、華人Hが女性らしく質問をした。
「弁当は、奥さんがつくってるの?」
「あ、はい。そうです。」
すると華人女性Hは急に大きな声を出して叫び始めた。
「ああー!!
アナタ、それはワタシタチのところで言う
『ハッピー・ランチボックス』
じゃないのーっ!!」
横で聞いていた僕は日本語訳をつけて一人納得した。
(なるほど、日本でいうところの『愛妻弁当』ということね)
ところで華人Hがこんなに盛り上がっているのに、日本人Kは技術屋らしく、とても落ち着いて答えた。
「ハッピーっと言っても、昨日の残り物ばっかりなんですけどね。」
と言っても華人Hはおさまらない。
「そんなの関係ないわ!!
たとえ残り物にしても、アナタの奥さんは、箱につめる作業をしてくれてるじゃないの!!
ワタシなんか、旦那になにもしないで、こうして日本に来ているのにーっ!!」
忘れていた。確か華人Hは先月、結婚したんだっけ。。。
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2.会社の外人(エクスパット等)
2010/07/11
お前もクシャトリア; カースト図は間違っている?
インド人と話をしていると、ときどき
「お前もサムライ階級の出身か?」
とか、
「お前の階級はなんだ?」
などと聞かれることがある。
一定以上のやりとりが出てくると、階級を知らないと落ち着かないらしい。年長・年少が扱いが大きく異なる韓国人が、妙に年齢を聞きたがるのと同じようなものなのだろう。
もっとも、わざわざそういうことを聞いてくるインド人はたいてい自分のことについては、
「オレはクシャトリア(武人)だ!!」
などと誇らしげにいうものだ。
実際、僕が今までにあったインド人にはもちろん、
『ワタシはシュードラである』
などと申告してくれた人は一度もいなかったし、わざわざ
『オレはヴァイシャ(平民)である』
と名乗った奴も一度も見たことがない。
なので、こうした身分にかかわる質問を受けた場合、僕はかならず
「もちろん、僕はサムライの出身だ!!」
と断言することにしている。
そうすると、相手は嬉々として教えてくれるのだ
「そうかぁ~、オレもクシャトリアなんだよ~!」
不思議なことにお互いに根拠を聞くこともない。
サムライ階級の出身
「お前もサムライ階級の出身か?」
とか、
「お前の階級はなんだ?」
などと聞かれることがある。
一定以上のやりとりが出てくると、階級を知らないと落ち着かないらしい。年長・年少が扱いが大きく異なる韓国人が、妙に年齢を聞きたがるのと同じようなものなのだろう。
もっとも、わざわざそういうことを聞いてくるインド人はたいてい自分のことについては、
「オレはクシャトリア(武人)だ!!」
などと誇らしげにいうものだ。
実際、僕が今までにあったインド人にはもちろん、
『ワタシはシュードラである』
などと申告してくれた人は一度もいなかったし、わざわざ
『オレはヴァイシャ(平民)である』
と名乗った奴も一度も見たことがない。
なので、こうした身分にかかわる質問を受けた場合、僕はかならず
「もちろん、僕はサムライの出身だ!!」
と断言することにしている。
そうすると、相手は嬉々として教えてくれるのだ
「そうかぁ~、オレもクシャトリアなんだよ~!」
不思議なことにお互いに根拠を聞くこともない。
昔、カースト制度なるものを習ったときに、ピラミッド状の身分制度図を見せられたが、あの図はきっと間違っている。
現実には、身分が下がるほど人数が増えていくような、あんなピラミッド状態では絶対なく、もっと上に人が偏っているのが本当の姿なのだと思う。
サムライ階級の出身
2010/07/03
ポテチ中に握手を求められて困りはてる
ビジターを迎えての終日会議が終わった夕方のこと。
僕は、会議室の片付けをしながら、テーブルの上に開けかけのポテトチップスを発見した。
そのまま捨てるのはもったいないので、底にまだ残っている細かいポテチの破片を右手を突っ込んで、つまんで食べていた。
そこに昼間の会議に出ていたビジター、華人Wが部屋に入ってきた。
荷物を取りまとめて、引き上げるのに挨拶に来たのだ、とすぐに分かった。
華人Wは社交的な笑顔を浮かべながら、
「今日はいろいろどうもありがとう!!」
といいながら近寄ってきて握手のために、右手を差し出してきた。
が、僕の右手は、塩とポテチのカスがついたままだ・・・。
(うーんと、どうしよう・・・・)
とっさに僕は左手のポテチ袋をテーブルに置き、右手の指先を口先で舐めてしまった。
(あっ・・・さらにまずい)
彼の目の前で、指先を舐めた右手をそのまま差し出して、握手をするわけにもいかない・・・。
(うー・・・・・)
差し出された右手を前に、どうしようか困っている僕を見ると、
Wは手を左右入れ替えて、僕の開いている左手を、彼の左手で握ってきた。
(これは握手だ・・・)
ぎこちなく左手を握り返した僕を見て、Wはウインクしながらこう言った。
「左手で握手するのをいやがる民族もいるけど、キミは違うよね !」
僕は、会議室の片付けをしながら、テーブルの上に開けかけのポテトチップスを発見した。
そのまま捨てるのはもったいないので、底にまだ残っている細かいポテチの破片を右手を突っ込んで、つまんで食べていた。
そこに昼間の会議に出ていたビジター、華人Wが部屋に入ってきた。
荷物を取りまとめて、引き上げるのに挨拶に来たのだ、とすぐに分かった。
華人Wは社交的な笑顔を浮かべながら、
「今日はいろいろどうもありがとう!!」
といいながら近寄ってきて握手のために、右手を差し出してきた。
が、僕の右手は、塩とポテチのカスがついたままだ・・・。
(うーんと、どうしよう・・・・)
とっさに僕は左手のポテチ袋をテーブルに置き、右手の指先を口先で舐めてしまった。
(あっ・・・さらにまずい)
彼の目の前で、指先を舐めた右手をそのまま差し出して、握手をするわけにもいかない・・・。
(うー・・・・・)
差し出された右手を前に、どうしようか困っている僕を見ると、
Wは手を左右入れ替えて、僕の開いている左手を、彼の左手で握ってきた。
(これは握手だ・・・)
ぎこちなく左手を握り返した僕を見て、Wはウインクしながらこう言った。
「左手で握手するのをいやがる民族もいるけど、キミは違うよね !」
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