2011/07/02

世界一高価なコーヒーを勧められる

ある日、親父のところにいくと

「おまえにコーヒーを入れてやる」

と言いだし、わざわざソーサーまでつけてコーヒーを出してくれた。

「じゃあ、いただきます。」

酸味とか渋みとも違うなにやらちょっと濃い味。

親父をその様子を見ながら、意味ありげに聞く。

「どうだ? うまいか?」

「う・・ん。ちょっと濃い独特の味がするね。」

「悪くないだろ。」

「うん。」

「なかなかいけるだろ。」

「うん。」

反応を一通り確かめると親父は語り始めた。

「このコーヒーはな、ルアク・コーヒーって言ってな、インドネシアからお土産に買ってきた。」

「ふーん。」

「高かったんだぞ。なにしろ世界一高いコーヒーと言われている。読め。」

そういって、コーヒーの商品袋を渡してきた。見るとその袋にはネコのような野生動物の写真が印刷されている。

「なになに・・・独特の風味のある"コピ・ルアク"

 ジャコウネコが食べて未消化のまま排泄されたコーヒー豆を焙煎したもの・・・・

 つまり、ウン○ってことかよ?」


「はははっ!! そのとおり。」

「つまり、こういうことだ。

 農園にはジャコウネコが放し飼いにされていて、

 現地の人がカゴを持って地面に落ちている豆を一つ一つ拾ってるんだ。


「だから、高いんだろ?」

すると親父は直接答えず、こう言った。

「悪くないだろ?」


Wikipedia "コピ・ルアク"
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%82%AF

Wikiには次のように明言されている。
「高価格は、稀少価値がきわめて高いことが最大の理由であり、必ずしもコーヒー豆としての品質や味が最も優れているからというわけではない。」


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2011/06/25

アルハンブラ宮殿・流しそーめんの階段

スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿には立派な庭園・噴水があった。

なかでも印象に残ったのはこれ。

勝手に「流しそーめんの階段」と呼んでいる。



階段横の手すり部分には樋のようなくぼみがあって水が流れている。

まるで、流しそーめんでもできそうな感じだ。

ここの庭園ではこれでもかとばかりに噴水・水の流れが強調されており、水をもって豊かさを示しているような感じだった。


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2011/05/29

ドブに棲むグッピーと氷屋

「子供の頃、那覇市内のドブでグッピーを掬っていた」、と言うと必ずウソと言われる。

なんといってもグッピーは熱帯魚専門店に並んでいる観賞魚だし、今まで一度もまともに納得して聞いてもらったことがなく悔しい思いをしてきた。

そんなことを30年も続けるともう自分の記憶に自信が持てなくなってくる。

確かに当時も、ドブにサカナがいる場所は限定されており、どこでもいるという訳ではなかった。

ドブのサカナを追っていくと氷屋の工場があり、その工場からはきれない水が滝のようにゴーゴーと音を立ててドブに流れ込んでいた。

この世にも珍しい水源によって、周囲数ブロックのドブには常にきれいな水が流れておりフナやグッピーなどの淡水魚が棲みついていたのだ


だから、30年ぶりに那覇に来たからにはなんとしても現場を確認したかったが、どうみてもドブには水はなかった。

(場所が違うのだろうか?)

記憶を頼りに道を行ったり来たりして約30分、ふと見覚えのある氷屋の看板を発見した。

(氷屋は残っていたのだ!!)

何となく氷屋の入口で看板を眺めていると、ドアが開いて中から男が出てきた。

思わず声をかけていた。

「あのー・・・昔、この周りのドブでグッピーとか採ってたんですけど・・・今はいないですかね~?」

すると沖縄人らしい丸い目をクリクリさせながら30くらいのおにいさんが答えてくれた。

「懐かしいねぇ~・・・。

 今、それ知ってる人、少ないよ!!。

 そこの道の先に駐車場があるでしょ。」


「あー、はい。」

「あの駐車場が昔の工場があったところ。」

「へえ~」

「工場には井戸があっただけど、今は上から井戸に蓋をして駐車場にしちゃったんだ。

 今でも井戸は残ってるはずなんだけどね・・・」


「・・・・」

「そうそう、一度ドブのフタの下に子供が入り込んで出られなくなって大変だったんだよ!!」

(!!)

大きなサカナには側溝のフタのある部分に逃げられて、いつも悔しい思いをしていたのだ。

サカナを追ってフタの下から出られなくなった子供の気持ちが手に取るようにわかった。

「懐かしいねぇ~」

普段ほとんど誰とも共有することのない風変わりな記憶を僕らは交換して、そして別れた。

だから今の僕は自信を持って人に言える。

「子供の頃、那覇市内のドブでグッピーを掬っていたんだよ」



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