2009/08/24

店長のジョブ・ディスクリプション

最近、日本では外食産業その他で、「店長」とされる個人が会社を相手に裁判などを起こして「残業手当」を取り返す、といった事件が続いている。 

僕も十年超、日本企業にいたので状況は想像できるつもりだが、他方でこれは外人に説明しにくい内容だなぁ、思うのだ。

ちょっと想像してみる。こんな質問を受けそうだ。

「マネジャーだった人間があとから、『やっぱりオレはマネジャー扱いされてなかった』っと言って訴えているってことか?」

で、この質問に対しては一応そうだ、と肯定せざるを得ない。

で、その次はきっと

"WHY?"

と聞かれて答えられず撃沈される日本人がどこかにいるような気がする。 

思うに、こうした会社では「店長のジョブ・ディスクリプション」みたいなものがはっきりなく、あっても曖昧ですべての実行責任が店長にあるようになっているんだろう。 

外資系企業における「ジョブ・ディスクリプション」、つまり職務記述書には仕事の範囲が書いてあるのだが、結果的に責任が問われない免責範囲がハッキリされるのが普通だ。 

件の店長問題の根本には、店長の免責範囲がわからないから長時間労働して本社に「怒られないように」頑張るから大変、といったことがあると想うのだが、これに対して「残業手当」をだせ、というのは裁判上は意味があるが本当は解決にならない。

金で済むんなら、最終的には残業代込みで同じ額程度になるような給与水準に収れんしてしまうだけではないか?

だから、全国の店長達の救済の為に勝ち取るべきは、店長には不可抗力で、かつ、本来本社の誰かの責任に帰すべき、曖昧な職務責任をはっきりさせること、なんではないのかなぁ〜。

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