わざわざ説明も要らないとおもうが、ロシアン・ティーというのは紅茶にジャムを加えてこしらえるものである。
紅茶の本などを見れば様々なロシアン・ティーのおしゃれなバリエーションが参照できること請け合いだ。
ある日のこと、僕はもっと違う紅茶が出来ないかと考えているうちに、ふと紅茶にヨーグルトを入れてみようと思いついた。
確かに今までそんなものは見たことがない。
冷蔵庫からブルガリア・ヨーグルトを取り出して、スプーン一杯分を熱い紅茶に投入!
この紅茶の名前は当然、「ブルガリアン・ティー」である。
さて、ヨーグルトの入った紅茶をスプーンでかき混ぜる。
やや!?
ヨーグルトはロシアン・ティーのジャムと違って、紅茶には溶けていってくれない。無理やり撹拌するとヨーグルトは白い細かな粒子状になって紅茶の中に浮遊し、すぐにカップの底に沈澱した。
そして飲んだ紅茶は・・・・・・元の紅茶と同じ味がした。
トルコ料理(マントウなど)にはトマト・ソースにプレーン・ヨーグルトを加えたものがあるが、ヨーグルトはある程度濃厚なソースでないと沈澱してしまい混ざらないのである。
後年、ブルガリアを訪問したときに僕はブルガリアン・ティーなるものがないか探しだのだが、そんなものは存在しなかった。
しかし、思う。ブルガリアにはかつて紅茶にヨーグルトを入れ、あまりうまくいかないことを確認した人間がいたに違いない、と。
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