あるときフランス人Sと雑談をしていたときのこと。
「知人Kは土日に、日本人アーティストAの回顧展を見に行くんだって。」
するとSは事も無げにこう言った。
「そう。。。つまりその日本人アーティストAはもう死んでるってことね。」
(ちょっとドキッとしながら)
「え、あっ、きっとそうだね。昔のアーティストだから・・・・・」
しかしSはフランス人らしく明快だった。
「だって、回顧展なんでしょ?!」
そうなのだ。
そもそも「回顧展(retrospective)」とは昔の作品を並べるという意味なのではなく、故人の作品展という意味なのだ。
以来、僕は「回顧展」と書いてあるポスターを見る度にSの言葉を思い出して、独り言を言う。
(つまり、死んでるってことね。)
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