2008/10/11

モーテルの2人部屋に4人泊まる

ある夏休みの前に、タイ人アマンパの強力な働きによって、韓国人ミスター・パク、日本人シンゴと僕の4人が集められ、アマンパが事前に用意したロス往復の飛行機予約はさばかれたのだった。

  (ここまでの経緯→ 知らないうちに飛行機予約してきたタイ人)

さて、この4人で一緒に留学寮を出発しロスに到着したが、実はどこに何をしに行くのか何も決まっていない。さっそく空港で4人で相談を始めた。

まず、言いだしっぺのタイ人アマンパが言った。

「やっぱり、ユニバーサル・スタジオにいかなきゃ。」

日本人シンゴはこう言った。

「当然、ハリウッドでしょ」

やや年長でミスターをつけて呼ばれているミスター・パクは

「まずは、ロスのダウンタウンだ」

うーん、全然かみ合わない上に、とんでもない我の強いやつらだと再認識したが、いつまでも笑っているわけにもいかない。

僕はこういった。

「もう夕方だし、どこか宿に入ってゆっくり相談しようよ」

空港のハーツ("Hertz")で国際免許を使ってレンタカーを借りた。車種は日本ではあまり見ないGMのビューイック("Buick")。運転はシンゴと僕の二人で交代である。

適当なモーテルがあったので、車を止めてフロントに4人で出かけると、フロントには、髪の毛をぴったり固めたすました東洋系の7/3分けの男がいた。

「ハロー、部屋あいてますか?」

「空いている」

「1泊いくらですか?」

「4人だからこの部屋になる。XXドルだ」

みながokして、部屋に入ろうと思ったそのとき、アマンパが叫んだ。

「それは高すぎる!!」

「他に4人の部屋はないが・・・」

「もっと安い部屋はないのか?」

「ない」

「割引してくれ!!」

「ここでの値段は決まっている、割引はできない」

言い出したら聞かないアマンパなのがわかっているから、僕ら残り3人は黙ったままだ。

「じゃあ、2人部屋を用意してくれ。そこに4人入って寝る。それならいいだろ」

「部屋の定員より多い人数を入れることは州の法律に反する。それはできない。」

「そんなの黙ってればわからないだろ」

「私はオーナーではないので、そういうことは決定できない」

「じゃあ、オーナーを出してくれ」

「オーナーは留守だ。今日は帰ってこない」

僕はなんとなく確信した。この落ち着いた対応、こいつ自身がオーナーに違いないと。

結局、アマンパのがんばりは通用せず、このモーテルには入れてもらえなかった。

でも、アマンパらしいのはここからだ。

このモーテルをあきらめて出てくると、アマンパがこう提案した。

「よし、次のモーテルを探そう。

 今度は、駐車場に止めた後で、2人は車に残って、2人だけフロントに行くんだ。

 そうして2人部屋を借りて、後で残り2人がこっそり部屋に入ればいい。」


この方法は全く問題なくうまく行った。

だいたいアメリカのモーテルなんて、広いし、フロントと部屋は離れているから、キーさえもらってしまえば、残り2人はこそこそする必要さえなかったのだった。

かくて、この旅行中、僕らは毎日同じ手口で2人部屋に4人で泊まり続けたのだった。

ベットは交代でね。




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