翌朝、僕たち(タイ人アマンパ、韓国人ミスター・パク、日本人シンゴと僕の4人)は早速ロスアンゼルス見物を始めることにした。
アマンパと僕は、ベットではなくて床に寝たので、どうも背中が痛い。
今は多少増えたらしいが、当時、ロスアンゼルスには地下鉄が1本しかなかった。町の大きさを考えれば、電車なしといっていい、とんでもない車の町である。
シンゴとミスター・パクの希望により地図を見ながらビバリー・ヒルズへ。ヤシの並ぶ並木道の左右に豪邸がならんでいた。ついで、ハリウッドへ。夕食は、タイ人アマンパの案内でタイレストランへ。
「トムっていうのは、タイ語でスープを意味するんだ」
なんていう説明を受けながら、トムヤムクンを食べた。
さて、午後からはリトル・トーキョーへ。これは僕の希望だった。
リトル・トーキョーに着き、運転していたシンゴが言った。
「どこに止めようか? そこに駐車場あるけど」
アマンパがいう。
「金がかかるから、その辺に止めとこう」
ミスター・パクもいった。
「どうせそんなに時間がかからないだろう」
確かにその通りに思えた。どう考えてもリトル・トーキョーは大きなところではない。
乗ってきた白のビューイックを路駐して、僕たち4人はに出かけた。
僕たち4人の誰もがショッピングに興味がなかったことと、また名前に反して、リトル・トーキョーには日本関係の店などはほとんど見当たらなかったのもあって、僕らはリトルトーキョーのシンボルである火の見櫓のあたりを一周して、予定通り20分ほどして車のところに帰ってきた。
と、われわれビューイックの横には警官がいて、なにやら書類を書いているではないか。
もっと近くまで、戻ってくるとその白人警官が気づいて話しかけてきた。
「これはあなたの車ですか?」
「はい」
「ここは駐車禁止ゾーンあたります。残念ながらあなたは駐車違反です。」
さっそく、アマンパがチャレンジした。
「でも、たった15分だよ」
「すみませんが、この場所では5分以上の駐車が駐車違反になります。これをどうぞ」
そういって、警官は縦長の違反用紙をワイパーからはずして僕に渡してきた。
「罰金は30ドルです。70日以内に支払ってください」
僕の手元に用紙を残して、警官は白バイにまたがって手を振りながらこう言って去って行った。
「どうぞよいご旅行を!!」
用紙を読むと、支払わない場合は車体番号から該当者を特定しますと書いてある。レンタカー契約は僕の名前でしているので、放置すれば僕の寮まで追いかけられるのだろう。
罰金30ドルは、4人で負担することにして僕は3人から金を預かり後日、小切手で支払った。
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