2009/04/17

現地妻のジハード(その2)

東南アジア女性はその翌日の夜も電話を掛けてきた。

「はい、もしもし」

「ハロー、こんにちは。昨日は長時間ごめんなさい。」

ふと思った。

そうなのだ、この人、これを国際電話でしているのだ。

かなりの料金になるはずだ。

「・・・いったい何をしたいんですか?

 Uさんという人がいるのか、会社で一応調べて見ましたけど、オフィスにいると思いますよ。

 会社に電話したらいいんじゃないですか?」

「私、会社には何度も電話しました。

 でも、今ではもう同じ職場の人は皆指示されていて、Uさんにはつないでもらえないのです。」


「どういうことですか?」

「Uさんいますか? って聞くと、不在ですって、誰が出てもそう言うようになってしまったのです。」

「・・・・・」

「それに今は、Uさんの自宅も、国際電話を接続しないようになっていて電話できないのです。」

「職場がダメで、自宅もダメってことね」

「私、家族の事情で日本にはいけないのだけど、どうしてもUさんと話をする必要があります。」

夜の長時間電話をつづけること数時間、僕には彼女が変な人間とは思えなくなってきていた。




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