2009/04/16

現地妻のジハード(その1)

日本企業で働いていたころ、僕は会社の用意する寮なるものに住んでいた。

寮には、新人から単身赴任者まで一人ものが住まいして、大浴場やトイレや洗濯機が共用になっていた。

ある夜のこと、部屋でくつろいでいた僕の部屋で電話が鳴った。

「はい、もしもし」

「ハロー、Uさんいませんか?」

いきなり英語である。ネイティブではない。東南アジア系か?

が、とにかく、僕はUさんではないので、その女性にこう答えた。

「番号をお間違いですね。僕はUさんではありません。」

ところで、その女性はこう言ってきた。

「わかっています。でもUさんを知りませんか?」

「Uさんなんて人は知りません。」

「あなたは×××会社の寮にいるんでしょう。」

驚いたことに女性の認識は正しかった。

「・・・・」

「×××会社の寮、その3階にいるんでしょう?」

この人、なんでそんなことがわかるんだ???

「・・・・・」

女性は僕の戸惑いをよそに言いたいことを続けた。

「あなた寮の同じ階の3XXという部屋に、Uさんがいるはずなんです。」

「・・・そこまでわかっているなら、直接電話したらいいじゃないですか?」

「・・・それができるなら、こんなことはしません。」

「寮の部屋には全部電話がついてますよ。」

「私は今、△△の国(東南アジア)にいます。Uさんの電話は海外からの電話は接続しないようになっているんです。」

「・・・なんでなんですか?」

「とにかくお願いです。」

「なんで僕がそんなことしなきゃいけないんですか?」

「お願いです。寮の中を歩いていって、同じフロアにあるUさんの部屋に言って、電話を取り次いでほしいんです。」

「僕はUさんという人を知らないんですよ。」

「どうしてもUさんに話をしたいんです。」

「・・・・・」

この日、僕はなんだかよくわからないまま、この東南アジア女性と意味不明な押し問答を1時間続け、なんとか電話を切った。




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