華人Mは、ある任務を追って日本にやってきた。
日本の関係者多数を集めて、そのための説明会を行った。
「というわけで、皆さんの協力が必要です」
Mは会議の最後をこのように締め、説明会は終了。
10分後、同僚と話をしている僕のところに、華人Mがやってきて言った。
「あなたにスモール・ギフトがあります」
そういってMは包装紙に包んだ小さな箱を差し出した。
Mと僕が会うのはこの日が初めてである。いぶかしみながら思わずやや失礼な言葉が口にでた。
「ありがとう。でも、なんで?」
するとMは笑顔で手を振りながら
「いやなに、ただのスモール・ギフトだよ。開けて、開けて」
こうして僕は卓上メモ挟み、とでもいうような小物を貰った。
翌日以降、僕は全く同じ卓上メモ挟みを、Mの説明会に出ていた関係者たちの机上に、3つまで見つけた。
いずれも明らかなキー・パーソン。
つまりMは露骨にスモール・ギフトをばらまいていたわけだが、華人としてはフツーの行動なのかもしれない。
僕はどのようにスモール・ギフトを受け取れば良かったのか?
じっくり考えた上での僕なりの案はこちら。
「サンキュー、マイ・フレンド!」
フレンドとは華人の感覚では便宜を図ってやる相手、つまり朋友。
Mにはこの一言で十分だろう。
今後のためにちょっと練習。
「あなたにスモール・ギフトがあります」
「サンキュー、マイ・フレンド!」
「じゃあ開けてみて!」
「ああーっ、これはいいねぇ!」
「そうだろう、マイ・フレンド!!」
うん、これはなんだか正しくアジアな感じ。
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