ある日、外資エクスパットのスコットランド人ルーニーがこんなことを言い出した。
「トーフって味がしないよね。」
「いやいや、そんなことはない」
「トーフの上にカツオブシとか、ネギとか、載っているし、しょう油もかけるから、そういう味はする。
だが、トーフ自体には味がない!!」
「いや。薬味を載せなくても豆腐それ自体に豆腐の味があるよ。」
「味もしないから、トーフを食べること自体にも僕は意味がないと思ってるんだ。」
「だからぁ~、豆腐にも味があるって。」
「それが証拠に、ガイジンにとってトーフとはダイエットをしている女性用の食品にすぎない。」
「あのね、豆腐にもいろいろなクオリティーのものがあって、確かに味が薄いものがあるのは認めるよ。
でも、豆腐自体の味わうためのトーフのフルコースなんていうのもある。」
「トーフのフルコース!! クレイジーだ!!
そんなものはいったい誰が食うんだ!!」
「上等の豆腐はとってもおいしいよ。
豆腐のフルコース、行ってみる?」
「いや、絶対遠慮しとく。」
かくて、ルーニーは日本に住んでいるにもかかわらず、豆腐の味を知らず、なぜか豆腐に対する偏見が刷り込まれたままなのだった。
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