あるとき車を車検に出すときに、代行を依頼した整備工場の人に一緒に陸運局に連れて行ってもらうように頼み込んだ。
まずは整備工場でブレーキ・オイルを替えたり、一通りの点検・整備。
そして、いよいよ陸運局へ。
助手席に整備工場の人に乗ってもらい、自分で運転して屋根の付いた車検場への行列に並ぶ。
前進して中に入った。
まず、アクセルを踏み込んでも床が合わせて回ってくれる、ネズミ車のような機構の上に自動車を乗せて、
・アクセルを踏んでください
とか
・ブレーキを踏んでください
とか
・時速40キロになったら、パッシングしてください
などの指示にあわせて運転。
それから、更に係員から
・方向指示器を右に出して
・左に出して
・ハザードランプをつけて
といった指示が出るので、こうしたライト関係の操作をやってみせる。
次に、車の下にいる検査官殿になにやら、チェック。
最後にエンジンをかけた状態で検査棒を排気口に突っ込む、排気ガスの検査をやっておしまい。
わりとあっさり終了したところで、助手席の整備工場の人が工具ボックスを持っているのに気がついた。
「あのー、この検査に工具ボックスは要るんですか?」
「はい。めったにないんですが、
ライトの検査に限っては、もしその場で、ランプが点灯しなくて不合格になっても
その場でランプを取り替えれば、もう一度、やり直しをさせてくれることになっているんです。」
一体、検査の瞬間にランプの寿命が尽きる偶然はどのくらいの頻度で起きるのか知らないが、かなり希有なことに違いない。
が、陸運局というお役所が、こうした稀な不可抗力のために特別の作業手順を用意しているとは驚きだ。
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