あるとき会議のために同時通訳さん2人に外部からきてもらうことになった。2人必要になるのは英→日、日→英をそれぞれ担当してもらうためだ。会議が長時間になる場合は、通訳者がもたないのでさらにもう一人入れて、順番に休憩をとってもらうことになる。
通訳っていうのは、なかなか神経の磨り減る仕事に違いない。
さて
休憩時間にひとりの通訳さんと雑談しているとこんな話をしてくれた。
「通訳するのって、会議の最初が一番楽なんですよ。内容に深く入らないで、まずは関係者のあいさつとか、出席者の自己紹介とかそういうよくある会話にしかならないでしょ・・・。」
「なるほど、そうですねぇ。」
「でもね、通訳の世界にもルールがあって、でも私、新人のころ知らなくて、『ワタシ、最初にします』って、手をあげたら後で怒られちゃって・・・」
「ダメなんですか?」
「会議の最初に通訳をするのは、一番のベテランがするんだってことになってるの。最初が一番簡単なのにねぇ・・・」
それを聞きながら僕は思った。
(ベテランだって、選べれば簡単な方を選ぶに決まっているのだ)
ともあれ、以来僕は通訳さんにお願いがあるときは最初に通訳した人を捕まえて、依頼するようにしており、だいたいそれでうまくいっている。
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