2009/11/13

「日本の薬」を買い込む台湾人

あるとき台湾のえらい人が日本のオフィスにやってくることになった。

事前準備のためにメールのやりとりをしていたら、

「すまないがワタシのプライベートなことに協力してほしい」

と言われ、なんだかわからないうちに、OKの返事を返したら

「時間があまりにないので、ワタシの買う予定にしている薬を買っておいてほしい、お金はちゃんと払うから。」

というメールが届いた。

そのメールによると買っておいてほしい薬がリストアップされ具体的に書いてあった。

 ・メンソレータム  6コ
 ・メンソレータムAD 6コ
 ・△△胃腸薬     8コ
 ・整腸××××      8コ

 などなど


まあ、そんな大変そうなことでもないので、とにかく薬局にいって確認。

「メンソレータムのADっていうやつはありますか?」

「はい、ありますよ。」

「ADっていうのは普通のと違うんですか?」

「ええ、かゆみとかにも効くタイプのメンソレータムなんです。」

とにかくそれらの薬を指定の個数買うと金額も大きさも、相当な量になった。しめて約3万円。

おかげでポイントは一気にたまったが、こんなに大量の薬をどうするつもりなんだ、あの人・・・。

さてその人の訪問当日。

会うなりさっそく、僕が買っておいた薬一式を渡すとその台湾人のおじさんは言った。

「いやぁ~どうもありがとう。

 ワタシの両親は戦前の日本語教育を受けていますから、日本語は読み書きも含めてネイティブレベルです。

 そうした背景で、両親は今でも日本の薬を大変に信用していましてね、おかげさまで親孝行ができます。」


(なるほど、そういうことか・・・。ん!? でも、メンソレータムって『日本の薬』か?)

そこで台湾人のおじさんが鞄に多数の薬をしまうのを手伝いながら、こっそりメンソレータムの箱の裏を確認した。そこにはこんな内容のことが書いてあった。

『米国メンソレータム社のライセンスを受けて製造・販売しています。』

(何だ、メンソレータムって、ぜんぜん日本の薬じゃないじゃん!!)

しかし、そう思った次には、もう一人の自分が心の中でこうつぶやいた。

(大丈夫。ご両親は日本語の読み書きが完璧なんだ。それも十分わかってるさ。)

僕は一人納得して、大きなお土産を抱えて満足げに帰る台湾人のおじさんを見送ったのだった。



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