が・・・、歩いているのは外国人ばかり。ここでは絨毯とかのみやげものが売られているのであって、観光客をカモにするところなのだ。
「カモ」がくると、両脇からたちまち国籍を認識して声がかかる。
「コンチハ、アリガト」
「ミルダケタダネ」
「アナタ、ビンボウ? ビンボウ・プライス、アゲルネ」
はい、貧乏です、なんて思わず振り返って返事をしてしまいそうだ。
1.商談開始
土産物になりそうな木の箱をちょっと、さわってみる。
概念的には、客として何に興味をもっているのか示し、交渉開始となる。
2.プレゼンテーション
すると店員が寄ってきて説明してくれる
「コレ、ハンドメイド、ネ」
ここで、商品がいかに優れ、製造が大変なのかを説明してくれる。
これが究極に進化したのがカッパドキアでみた製造工程見学ツアーなのだろう。
3.見積要求
「ハウマッチ?」
4.見積提出
「US 20ドル」
ついでにここで、「ビューティフル・ワークなどと言って、商品を自分でほめちぎる」
5.値引き要求
「ディスカウント・プリーズ!!」
6.通常値引を提示
「オーケー。アナタ友達ネ。
コレ、アメリカ人、20ドル。
アナタ友達、15ドル。5ドルタダね。
コレ、ハンドメイド、ビューティフル。アナタ、トクネ。」
7.特別値引きを要求(=カウンター・オファー)
ここでは絶対に数字を出さなくてはいけない。電卓に打つのがベター。
電卓に7ドル とか押して出してみせる。
8.店側回答
受けない場合は、基本的に同じ回答がなされる。
「コレ、ハンドメイドネ。ホントは20ドル。
アナタ友達、15ドル。5ドルタダね。」
9.商談不成立
客は、特別値引きに対して店側が応じてくれなかったのを理由に、立ち去ることができる。
「トモダチ!! アナタ!!
ワタシ、キズツキマシタ!!」
などと言ってくるが、彼らは決してキズついてなどいない。
個人別に需要と供給で価格が決定されるプロセスが忠実に実行されている、とも言えるが、いったい中東全体で毎日毎日、価格ネゴに費やされている時間と労力は大変なものである。
これでは一物一価であることを前提とした便利さは享受されないし、ネゴ上手二人がいくら上手にネゴしあっても、打ち消しあうだけでアウトプットは増えない。
これがカルチャーなんだろうなぁ・・・とも思うのだが、江戸時代に越後屋の始めた「現銀掛値無し」みたいな商法・商店は中東には出てこないのだろうか、と考えざるを得ない。
三越ホームページ・「現銀掛値無し」
http://www.mitsukoshi.co.jp/corp/history_qa.html
トルコシリーズ終了
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