スコットランド人・エクスパットのルーニーは、日本の会社でのお休み(つまり有給休暇)には、病気のときには使わなくても良い、と本気で信じていたものだ。
あるとき、
「日本人はなぜ年次有給休暇を全部使い切らないのか?」
というエクスパットらしい質問を受けて、僕はこのように答えた。
「病気になったときのためにという意識もあって、年次有給休暇を少し取っておくのが普通だ。」
するとエクスパットのルーニーは、マジな顔をしてこう言ったのだ。
「病気のときには、有給休暇は使わないだろう!?」
日本の会社は人事制度が欧州企業とは違うのである。
ところで、先日ビジターとしてやってきたフランスで働く英国人Rと上のような同じ会話を行ったところ、英国人Rはこんなことを言い出した。
「フランスでは病気で仕事ができなくなると国の保険でお金が支払われる。
だから、休暇も使い切る。
日本では病気で会社に出てこられなくなったら、どうなるのか?」
そこで、僕は以前に日本企業にいたころに、病気で長期に出勤できなくなった先輩のことを思い出しながら答えた。
「最初は有給休暇を使い切って・・・それから大企業だと人事がいろいろしてくれて、しばらくは給料がでるけど、あまりに長期になると、給料も出なくなる。。。かな!?」
「そうか、フランスではさっき言ったように国の保険があるから大丈夫だ。」
「・・・・・」
この会話、どうも何かがひっかかる・・・・。
翌日になってようやく、僕は英国人Rとは話の前提があっていないのではないかと思い始めた。
(フランスで病気になって、長期にわたって働けない場合にでる国の保険、っていうのは失業を前提にしているんじゃないか?)
もしそうなら、日本にも国の制度として「雇用保険」がある。
となると、英国人Rとの間で、話の前提が合わなかった内容というのは、
「日本では給料が出なくなるほどの長期療養になっても、必ずしも会社をクビにならない」
ということなのだろう。
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