外資の関係者でキャリアの話をしていると、すぐに「スキル」っていう単語が出てくる。
こういう場合の「スキル」っていうのは、当然、英語の"Skill"であり、何らかの技能のことなのだが、どうも通常の日本語でいうところの「技能」とは、どうもニュアンスが違う。
日本語で「技能」っていうとそれこそ特殊な技術、特になかなか取得できない資格なんかを思い浮かべてしまうのだが、外資系キャリアを語るときの「スキル」にはもっといろいろ広く含まれる。
この差を表すために古風な日本企業での会話と、外資な会話とを並べてみる。
例えばこんな感じ。
1.職場の同僚とうまくやっていけない場合
日本の会話
「対人関係がダメ」
外資な会話
「コミュニケーション・スキルが足りない」
2.部下とうまくやっていけない場合
日本の会話
「部下を使えない」
外資な会話
「コーチング・スキルが足りない」
表現方法が違うだけと言われるかもしれないが、実はこの差は意識の上では大きい。
コンセプトとして、「スキル」というのは単なる習得可能な技能に過ぎないから、
「×××・スキルが足りない」
と自己認識しても何ら恥ずべきことではなく、むしろ、次のキャリア・アップのステップとして、
「△△△・スキルの研修(トレーニング)を受けようと思います」
というとっても前向きな展開を堂々と語ることができるのである。
つまり、「スキル」っていう魔法の言葉を使うことで、仕事に必要な技能のみを切りだして、自分の人格から区分して考えられるようになるわけだ。
職場の人間関係がうまくいかないと思われている方は、まず、「コミュニケーション・スキルが足りない」と自分に言い聞かせてみましょう。
そこでついつい自分で、
「そんなの屁理屈だ!!」
と切って捨ててしまうのは実は日本人的発想なのではないかと思うし、それに屁理屈で前向きになれるのなら、それで良いではなかろうか?
ガイジンと屁理屈についてはこちらも
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