トルコに遊びに旅行をしたときのこと。
イスタンブールのお土産にアップルチャイというリンゴ風味のチャイを買って帰ろうとしていた。
アップルチャイは、ポーションが分けやすくて、しかもそんなにドギツイ味ではないので、一般受けする土産になるだろう、ということだ。
特に中東に行くとあまり、日本人から一般受けする丁度いいお土産はそんなに無い。
どうしても、味と見かけがあまり極端ではないものである必要がある。
例えば、ターキッシュ・ディライトという、グミみたいなもの〔?〕を職場に買って帰ったが、
非常に不人気だったことを思い出す。
しかも、小分けにしていろんな人に配るようにできていないものが多い。
こういう中で、アップルチャイの小箱は丁度良かったのだ。
で、帰る前日にイスタンブールのバザールの中の入り口に近いとある店で、目当てのアップルチャイの箱を発見したので、肌の白い背の高いに~ちゃんに値段を聞くと、数日前に聞いた記憶にある値段よりぜんぜん高い。
「高いよ」
「いやそんなことはない」
「でも、$10は高い。他ではもっと安かった」
「高くない。じゃあいくらだ」
「$10は高い」
「高くない。じゃあいくらだ。」
に~ちゃんはだんだん目がマジになってきて、いきなり腕でガシっと右手首をつかまれた。
しかも、すごい腕には力が入っている。こちらは、手首自体は締め付けられていないものの、ガッシリ抑えられているので右手は全く動かせない。
もう圧倒的に向こうの力が強く、もし向こうがキレたら、どうにもならないのを感じた。
結局、この店のに~ちゃんには、「わかった。じゃあ、入らない」といって腕を放してもらって、その場を立ち去った。
でも、何か腑に落ちないものが心に残った。
チャイの値段交渉を、通行人の多い屋根付きバザールの真ん中でやっていただけなのだ。
そんなに自分に非があるとも思えないが、なんで彼はこんなにマジギレしていたんだろう???
しかも、何か彼から義憤みたいな、単なる値段交渉とは違う何かを感じた。
彼とのやり取りを思い返した。
で、後からした僕の解釈はこうだ。
・彼は、10ドルというオファーをした。
・僕からは値段を一回も言わなかった。
・にもかかわらず、僕は「高い」と言い続けた。
つまり、彼はきっと『買う値段をまったく言わずに、彼のオファー価格を高いと言ったこと』は、彼のカルチャーのコンテクストではそういう行為は卑怯であり、かつ理不尽であると感じで怒っていた、ということなのだろう。
こんなわけで、中東で価格交渉される際には、数字の大小にかかわらず、まずとにかく値段をいうことをお勧めする。
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