1.道端などの特定の場所に巣を張って、客を待つタイプ
2.シャンデリア売りのように、カフェなどを回って行商するタイプ
日本の靴磨き屋には、タイプ1の定位置タイプはいてもタイプ2の行商タイプはいないように思う。
果たしてサンロ・ド・テには、タイプ2の靴磨き屋がやってきた。
客を求めて移動を続ける必要性のため、行商タイプ靴磨き屋はすすけた木箱と、同じく木でできているらしい足置き台を持って歩いている。木箱には靴墨やクリーム、ブラシなどが格納されているに違いなかった。
さて、サロン・ド・テにやってきた靴磨き屋。
当然というべきか、客は遠い目をして座っているので、気がつかない、ないしは気がつかないフリをしている。
といって、サービス業なので、衣料商や物売りのように、商品を見せびらかすということもできない。
どうするのか見ている僕の前で、靴磨き屋には独自のアピールを行った。
バン!! バン!!
バン!! バン!!
靴磨き屋は、一言も発することなく、道具入れの木箱のフタを、開け閉めして音を出して注意を引いた。
これで客がいれば、席から手を振って靴磨き屋を呼び寄せるのだろう。
しかし、このときは誰にも反応をもらえず、スゴスゴと引き上げていった。
一回5DH(ディラハム=当時の換算で約160円程度)らしい。
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