が、強い日光の替わりに、今度は、自称「案内人」が次々と現れて「攻撃」をしていく。
「ガイド、ガイド!!」
「ビンボー!!」
無視をつづけるわれわれに対して、こんな「口撃」もあった。
「心配ない。私は学生である。」
いったい学生と自ら称することが、詐欺やぼったくりでないことと、どのように関係するというのだろうか?
それから、もっと一発芸のようなスタイルもあった。
例えば、こんなやつ。
突然、目の中に走り出て立ち止まり、右手で道を指さしながら、
「ちょっと待って!! メディナ!!」
これって、山△百△のモノマネなんだろうが、あまりに古すぎる。
いったい誰が教えたやら・・・。
メディナの中は、幅3メートルくらいの細い石畳の道が入り組んでいて、両側には年期の入った3階建てくらいの象牙色・日干し煉瓦作りの店が連なっている。
今の僕らの状態は、さしづめ秋葉原カード下に初めて足を踏み入れて戸惑っているアメリカ人、という感じだ。
目の前の迷宮には、革カバンや革ジャンの店、天井から服を着せたマネキンが宙づりにしてある、ちょっと恐ろしい服屋、のみと石鎚でありがたいアッラーの言葉を刻んでくれる石板屋、ミントティーのポットやら皿やらを並べる真鍮細工屋、羊からはがしたままの着ぐるみをそのまま吊ってあるウール屋、ナッツ・パスタの量り売り、寄木細工の店、絨毯屋などなど。
この道幅と建物の高さは、街に自然光が入りつつ、頭上に直射日光が当たらない、という相反する両方の条件を兼ね備えた微妙な快適バランスを達成していた。
ところで、メディナの路地は狭くて車は入れない。しかも、意外に平坦ではなくアップダウンもある。
だから、トラックや自動車の替わりに荷物を運搬するロバ・ウマが頻繁に通行し、道端には馬フン・ロバフンがあちこちに落ちているなか、荷車がやってくるたびに、後ろから大声でどくように叫ばれる。
一度、これに気付かずぼーっと立っていたら、いきなり耳元に、ウマの鼻息を スュー!! とかけられた。
ちょっとびっくり。
1 件のコメント:
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
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