寮学寮にいた頃、あるときブラジル人のベロニカが当時のブラジルでのハイパーインフレの話をしてくれたことがある。
ただし話は「インフレ」なんていうカタイ話ではなく、こんな感じだった。
「ブラジルではね、スーパーに買い物にいくといつも値札がいっぱいついていて、値段がどれだかわからないのよ~。」
「なんで?」
ベロニカは丸い目をくるくるさせながら、ニコニコとかなり楽しそうに答えてくれた。
「これが先々月の値段で、これが先月の値段で、これが今月の値段っていうふうに毎月値段が変わって、値札のシールが毎月、ランダムに貼られるからよ。」
「ふーん。」
「だから、値段はこれかな、それともこれかな、って見て、だいたい一番大きな数字のやつが今の値段ってことになるのよねぇ~、ハッハッハッ」
それって、かなり深刻なインフレじゃん。
でも、びっくりするのはこの深刻な問題について、値札探しごっこのように明るく楽しそうな話してくれたこと。
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