マレーシア航空でクアラ・ルンプールに行く飛行機には一部、コタキナバル経由という便がある。
(コタキナバルというのはボルネオ島にあり、キナバル山への入り口になる町である。)
さて、この飛行機に乗ってクアラ・ルンプールに行くと、一旦、コタキナバルに着陸して、ボルネオ島から乗ってくる乗客と、ここで降りる乗客とが一部入れ替わり、再度、飛び立った飛行機はクアラ・ルンプールに到着する。
つまり、この飛行機は、日本->マレーシアの国際線乗客と、ボルネオ島->クアラ・ルンプールのマレーシア国内線乗客が、飛行機の中で完全にミックスしてしまうわけだ。
マレーシアの入国管理局は一体これをどのようにチェックしているのだろう・・・?
という疑問を持っていたので、先日、マレーシアから来たビジターに聞いてみた。
「コタキナバルから、クアラ・ルンプールに飛行機に乗る人は、もしかしてパスポートが必要ですか?」
「いいえ。コタキナバルのあるサバ州はマレーシアです。マレーシア国内便ではパスポートは一切不要です。」
「例えば、成田発、クアラ・ルンプール行き・コタキナバル行きの飛行機では乗客が混ざってしまうけど、クアラ・ルンプールでの入国ゲートで、何か見せないといけないのでは?」
「あっ、それは、市民IDを見せることになっていて、パスポートは必要ありません。」
「市民IDって?」
「市民IDって、市民のIDカードです。」
そういって、そのマレーシアからのビジターはマレーシアの国民IDを見せてくれた。
パスポートを携帯して見せるのと、市民IDを携帯して見せるのと、一体どれほど意味の違いがあるんだろうか?
「ということは、もしかして日本には、市民のIDはないの?」
「ないですねぇ~」
なんでも、マレーシアでは子供が生まれると、みんなこの国民IDカード(写真付き)なるものが発行され、各人常に携帯しているものらしい。実際のカードも見せてもらった。日本の免許証みたいな写真付きカードに住基ネット番号が表示されているようなもののようだ。
「国民IDが無かったら、じゃあ、自分のIDはどうやって証明するの!?
例えば、警官がやってきて、お前の国籍は何かって聞かれたらいったいどうするの?
パスポートをポケットから出すの?」
この質問にうまく答えるにはどうしたらよかっただろう。
そもそも日本では、警官が一般人をつかまえて、
「パスポートを見せろ」
とか
「身分証を出せ」
とか言うなどという話は聞いたことが無い。
日本では一般的に身分証を携帯する習慣に乏しく、無い場合にでも無いなりなんとかやっていけるということを、彼らの常識ベースに、簡単に納得させられる方法はあっただろうか?
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