2010/02/27

エクスパットの割り切りポリシー

外資エクスパットは、日本での担当するはずの事業の具体的な内容や、どんな社員がどんな仕事をやっているのか、ということをよく知らないまま着任してくるのが普通である。

日本語ができないのはまずあるにしても、そもそも日本にいてずっとその業界にいる日本人に比べて、ある種の知識・情報量において劣るのは当然である。にもかかわらず、多くのエクスパットがかなりの存在感を示し、彼らなりに短期間にそれなりの足跡を残していく。

また、ランクの高いエクスパットほど前任者からの引き継ぎのようなものはほとんど行わない。引き継ぎと称して1時間雑談して終わり、というようなことも少なくない。

こうして外資のエクスパット達が

1.日本事情に疎いまま 2.引き継ぎを行わず 3.短期間に存在を示す

ため、本人の限られた理解(="思い込み")に基づき、ときに強引とも言える手法で軌道修正を行うことにはなるのだが、そこには常にある種の、多くのエクスパット達に共通した考え方があるように思われる。

例えば、ベルギー人エクスパットのJは、しばしば次のようなコメントを口にした。ほとんどのエクスパットに共通する「仕事上のやり方」についてのポリシーを代表するものとして紹介したい。



「詳細には間違っているが、方向性において正しい」

原文; "Directionally right, precisely wrong"




所詮、エクスパットが実務の詳細を知りコメントするのはどだい無理であり、しかも役員としての観点からは、どれだけうまく自分が新たに示すオリジナルな方向性を元に現地社員に詳細な実務をさせるのかにポイントが集約される。

だから、エクスパットとしては、少々細かい不都合があろうが方向性があっていれば、仕事としてはそれで良い、というように割り切っている、ということだ。

ところでこのポリシーには、仕事以外の処世術にも通じる部分がある。

就職、結婚など世の中は詳細に検討できないことだらけだが、そういう時こそ、エクスパットのように

「詳細には間違っているが、方向性において正しい」

と思えることができれば、それで良いのではないか。




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2 件のコメント:

オシータ さんのコメント...

こんにちは、オシータです^_^ エクスパットは、日本で働いているなんぞ関係なく、自分のスタイルが第一なんでしょうね。で、どこの国の方が一番話しが通じるんですか?
あと、私のブログにリンクをはらせてもらいま〜す!

たまーむ さんのコメント...

こんにちは。
オシータさん、コメントありがとうございます。エクスパットのやり方はやっぱり、国というよりも個人属性につきますね。。。
早速リンクは相互にさせていただきますね。
「海外でのいろいろ話」のミラノ編のアップを楽しみにしてます。

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