あるとき、スコットランド人のエクスパットであるRがやってきて、僕に対して仕事の進め方についてこんな話を始めた。
「特に、グローバル・チームと仕事をするときには、仕事の進捗についてよく気を配るのが大事なんだ。」
「うん。どんなことをするんだ?」
「グローバル・チームの人間は、われわれ日本にいるチームをすぐに"U"に入れる。」
「"U"って何さ?」
「アルファベットの"U"だよ。こんな形をしている。」
そう言って、エクスパットRは近くにあったホワイトボードに大きく"U"と書いた。
「うん。アルファベットの"U"ね。それで?」
「例えば、今、お前は"U"という形をした谷の底にいるとする。
努力をして、前進していくとだんだんカーブが直角になってきて、そして "U"字の谷の底にずり落ちることになる。」
「なるほど」
「そして、"U"の底はお前がもともといた場所だ。つまり、仕事は元にもどっている。」
続いて、エクスパットRは"U"の隣に別の絵を描いた。観覧車見たいな図だ。
「あるいは、グローパル・チームの人間は、われわれ日本にいるチームをネズミ車の上にすぐ置く。」
観覧車みたいな図はネズミ車だったらしい。
「・・・ネズミ車の上ではどんなに努力して走っても、仕事は1センチも前進しない。」
「うん。そうね。」
「だから、お前は、特にグローバル・チームと仕事をするときには、いつも自分が"U"の中に置かれていないか、ネズミ車の上に乗っていないか、よくよく周りを確かめるんだ。」
どうやら、これはRらしい仕事の仕方についてのアドバイスらしかった。
「ありがとう。一つ質問していいか?」
「ああ、なんでも聞いてくれ。」
「"U"と"ネズミ車"、どっちもやっているようで実は仕事が進んでいない、という意味に理解したんだが、この二つには、何か違いがあるのか?」
「もちろんだ!! 違いはある。
"ネズミ車"というのは、同じところをクルクル回っているというたとえだ。
そして"U"というのは、しばらく進むと壁にあたり、それまでの前進が否定されるような状況だ。」
うーむ。わかったようでよくわからん。
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