今は昔、日本企業にいたころ会社で『デキルが人望がない』という評価のあった老副社長がいた。
あるとき、そのたたき上げ老副社長が何かの会議で皆に教えるようにしみじみと語ったことがあった。
「キミ、『経営』というものはねぇ~・・・プライオリティーの問題だと思うんだ。」
なぜかこの言葉は、当時の僕にはとても印象に残るものとなり、このセリフはその場でそのまま僕の胸にしまわれた。
しか~し。今思い起こしてみてこのセリフを聞くと、こう感じるのだ。
「そんなの、あったりまえじゃん。」
外資で、経営陣としてやってくる人のジョブ・ディスクリプション(職務記述書)に記載されているはずのロール(役割)はズバリ、経営資源(リソース)配分のプライオリティーを決めることである。
「会社の経営者の行う役割は、人・モノ・金の経営資源を何に使うのかというプライオリティーを決定すること。」
これは欧米人から見ると、教科書に書いてあるレベルの自明のこと。
たたき上げ老副社長が数十年の努力の末に掴んだ『経営の本質』とは、経営学の教科書に書いてあるごくごく当たり前のことに過ぎなかったのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿