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2011/04/07

回顧展・レトロスペクティブ

あるときフランス人Sと雑談をしていたときのこと。

「知人Kは土日に、日本人アーティストAの回顧展を見に行くんだって。」

するとSは事も無げにこう言った。

「そう。。。つまりその日本人アーティストAはもう死んでるってことね。」

(ちょっとドキッとしながら)

「え、あっ、きっとそうだね。昔のアーティストだから・・・・・」

しかしSはフランス人らしく明快だった。

「だって、回顧展なんでしょ?!」

そうなのだ。

そもそも「回顧展(retrospective)」とは昔の作品を並べるという意味なのではなく、故人の作品展という意味なのだ。

以来、僕は「回顧展」と書いてあるポスターを見る度にSの言葉を思い出して、独り言を言う。

(つまり、死んでるってことね。)



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2009/11/15

フランスの給食はまずいか?(その1)

あるとき、大人のフランス人を相手にアンケートを行うことになった。

質問の内容

「あなたが子供のころ、学校の給食はおいしい思っていましたか?」

約30人くらいの大人のフランス人から回答を得た。ちゃんとデータが残っていないのでここに示すことはできないが、結果として得られたコメントの多くは下記のような内容だった。

・うえー、まずい!!

・とにかくおいしく無かったと記憶している。


とにかくフランス人に『給食がおいしかった』、と回答した人はほとんどいなかったのである。

そして一部に、毎日、家に食べに帰っていたので給食を食べたことがない、などという人もいた。

果たしてフランスの給食は本当にまずいのだろうか?





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2009/09/11

ライ麦を食べたいフランス人

ある時、日本に留学中のフランス人Sと都心を歩いているとSがいった。

「ちょっと、そこのパン屋さんに行きたい」

別に異存はないのでオーケーしてついていくと、Sは慣れたようすで店内の一角に行って焦げ茶色のパンを取って嬉しそうにこういった。

「これ、ライ麦パン。近所では売ってないの。」

「ふーん」

「ああ、食べたかったぁ〜」

こっちは、あんまりピンとこないがSは本当にうれしそうにライ麦パンを買い、カバンに入れたのだった。

2009/08/30

もうチョコないのと驚くフランス人

あるときに、ビジターとして日本にやってきたフランス人Vは、仕事で関係の強い僕らのチームにお土産を持ってきてくれた。

ものはシャンパン型の透明プラスチック・ケースに入ったアソートのチョコレート。

これをもらった僕は礼を言って、中身をバラバラだしてその日のうちに職場の関係者に配って歩いた。

さて、翌日のこと。フランス人Vはミーティングにやってきてすっかり空になったチョコレートのケースを発見して言った。

「あなた!! 1キロのチョコレートをもう全部食べちゃったの!!」

「うん、もうなくなちゃった」

「私はいいけど、身体に悪いわよ〜」

彼女は日本人はお菓子を職場にバラまく、ということは知らないまま、僕がかなりのチョコ好きと思い込んだのだった。

2009/07/17

肥満の推進に反対するフランス人

あるときのこと。

フランス人エクスパットのAを会議に呼び出して、彼がやってきて席に座ったところで、キャンデーの入ったカゴを差し出してみた。

すると彼はあまり機嫌がよくなさそうにこういった。

「キミはワタシの肥満を推進しているのかね?」

仕方がないので僕はこう答えた。

「いいえ。私はアナタとのスムースな会議を推進しています。」

するとフランス人Aは、

「そうか、わかった」

というなり、がばっとキャンデーをつかんで口の中に放り込んだ。


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2009/07/12

英国カフェテリアでのフランス人の一言

あるときに、出張先・英国のカフェテリアでフランス人Vと一緒にランチを取ることになった。

僕から見たらかなり立派なカフェテリア。

食材いっぱい、種類もいっぱい。

スープにサラダ、パンもいろいろ。メインも煮込みあり、ステーキあり、カレーありの豪華なラインナップ。

ついついいろいろ取りすぎて、ちょっと多すぎたかなぁと思いながらテーブルに着くと、先にフランス人Vがごく少量のデザートのみトレイに載せて座っていた。

僕がちょっとびっくりして

「デザートのみじゃない!?

 パンも、野菜も何もなし?」


と聞くと、彼女は心底残念そうに首を振りながらこうつぶやいた。

「そうなのよ~

 ここにはちっとも、アトラクティブなものがないのよねぇ~。」


ああ・・・

なんというか・・・

さすがはフランス人・・・

僕はワクワクしながら、いろいろな料理を取ってきたのだが、なんだかいっぺんに盛り下がってしまったのだった。



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2009/07/06

失礼な日本人へのガイジンの対抗策

ある日のこと。

日本に留学生として滞在しているフランス女性Sと会話をしていると彼女がこんなことを言い出した。

「この前電車に乗っていたら、周りにいた日本人のおじさん二人が

 『うわっ、ガイジンだぁ』

 って言って、それからワタシのルックスとかしゃべりはじめたの」


「それはひどい!!」

「日本にいるんだし、ワタシが日本語を少しは理解する、とか想像できないのかなぁ・・・」

ちなみに、彼女は慣用句まで理解できるレベルに達しているもっとも日本語のできるガイジンであり、少しできる、という程度ではない。

「じゃあ、そういうときは何か言ってやれば?」

「そういうときには日本人は何といいますか?」

聞かれてみて、ふと戸惑う。あんまり適当な言葉が思いつかない・・・。

「・・・・・バカ・・・とか?」

さっそく彼女がやってくれた。

「バカ!」

うーむ、どうもいきなり言うには電車のシチュエーションにうまく合わない。。。

しかも、もっとどぎつく相手の失礼をとがめたいのだ。

考えてみるとわかるのだが、日本語には日常的に使えるののしり語彙があまり多くないのである。

約5分後、僕がなんとか彼女に提案した対応はこういうものだった。

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まわりのおじさん

 「うわっ、ガイジンだぁ。鼻高いねぇ~」

彼女の対応

鼻を手で押さえて、

 「くさ!! くっさー」

と言ってそそくさと立ち去る。。。
--------------------------------------------------------------

これなら、一応、彼女が日本語を十分理解した上で、不快感を示していなくなる、ということなるのだが、もっといい回答はあっただろうか?


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2009/06/26

女性にも干支を尋ねるフランス人

会社にいたフランス人A、あるときに日本には干支というものがあることを知り、かつ個人がそれぞれ生まれた年によって、干支の一つが割り当てられていることを知った。

当然まず知りたいのは、自分自身の干支。

彼は自分自身が「ネズミ年生まれ」であると、教えられて、誇らしげに

「そうか、僕は日本のゾーディアックではネズミなんだ!!」

と思ってくれたわけだ。

ところが、フランス人Aはつい面白くなってしまったのか、周りの日本人にも干支を尋ね始めたのだ。

たとえばこんな感じに。

「ねぇ、君のゾーディアックはどれかな? 僕のはネズミなんだけどね!!」

「私は、ウマです。」

などと無害な会話が行われた。

そこまではまあ、良かった。

しかし、フランス人Aはこれを周りの女性社員にもやってしまったのだ。

まず、被害にあったのが近くにいた日本人Mさん。

彼女はあまりに無邪気に聞いてくるので、ためらいつつも干支を答えてしまったらしい。

次の日から、フランス人Aの会話バリエーションはこんな風に増えていた。

「ねぇ、君のゾーディアックはどれかな? 

 えーっと、僕のはネズミで、Mさんのはトラなんだけどね!!」



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2009/06/18

バンダリズムとは

ある日の朝のこと、いつものように会社に行くために家を出たときのことだった。

僕は近所の駐車場を借りて車を置いていたのだが、ふと歩きながら駐車場を見ると、僕の車の後ろガラスは棒か何かに殴られたかのように粉々に割れ、ガラス片があたりに飛び散っていた。

いったい何があったのだ!?

高級外車ならいざ知らず、10数年落ちの国産セダン。

CDはおろか、カーナビもついていないのに・・・・。

瞬間、フィラデルフィア西部の路地で見かけたガラスの割れた車たちを思い出した。

これらの車はガラスが割られた後に、茶色の段ボールでガラスの代わりに窓をふさがれ、そして段ボールの表面ではマジックでこんなことが書かれていた。

"No Radio, Nothing!!"

つまり、ガラスを割っても何も得るものがないよ、というアピール。

僕の車には一応、さすがにラジオくらいは付いていたが、駐車場内にはもっといい車や、いい装備の車ばかりが並んでいる。

なのに、どうして!?・・・・

物取り目的ではないとすると、僕を特定しての個人的ないやがらせか?・・・・・


翌日のこと。

その当時通っていたフランス語のクラスに行き、フランス人Eに車を壊された話をすると彼女は全く驚いた様子も見せずにこう言った。

「それは、バンダリズムね」

「バンダリズム?」

「そう、バンダリズム。

 フランスにもよくあるわ。

 特に若者が、意味もなく、車や、商店を壊すような行為。

 社会に対する不満を表明したいするために行うから、

 誰のものとか、何をとかは関係なく、

 破壊行為自体が目的よ。」


結局、今でも僕の車をやった下手人は知れない。

Eのようなバンダリズムなのか、フィラデルフィアのような物取りだったのか(何かを取られた形跡はない)、個人的な嫌がらせなのか、はわからないままだ。

僕のポロ車には原因不明のまま、安全ガラス約8万円也が再度装着され、後日、全額保険でカバーされたのだった。


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2009/04/25

ヨーロッパの男は料理しない!?

留学寮の同じスイートに住んでいたフランス人のジョン・フランソワのところには、よく彼女が遊びに来ていた。

あるとき、ジョン・フランソワの彼女がスイートのキッチンにやってきて、僕が夕ごはんを作っているのを見て、こう言った。

「男が料理しているのって変ね。」

「そうか?」

すると、ソファーに座っていたジョン・フランソワが替わりにこう答えた。

「ヨーロッパの男は料理しないんだ。女がやる。」

そういえば、確かにジョン・フランソワは彼女が料理をしているのをいつも横で見ているだけだった。

最近、フランスの男は日本よりも家事をする、みたいな新聞記事を見ることがあるが、すくなくともつい最近まで、日本とそんなに大差はなかったはず、と僕は思い込んでいる。



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2009/04/05

隣の客は偽パスポート

ドンドンドン!! ドンドンドンドン!!

カギのかかったドアの外から男が力強くドアをたたいている音で僕は目を覚ました。

ここは、フランスに向う夜行列車のクシェットのコンパートメントの中。

ドンドンドン!!

これは、いったい強盗なのか・・・

と、下段クシェットから寝る前に雑談していたミラノに住むフランス人の彼女の声がした。

「警察よ、カギを開けて!!」

僕が手を伸ばしてロックを開けたとたん、制服の警察二人組がはいってきて電気がついた。

警察は僕ら一人一人、順番にパスポートの顔写真と本物の顔を見比べてチェックを始めた。

まず、例のフランス人女性の二人、それから僕もあっさりOK。

一人のフランス警官と彼女らはなにやら早口で会話をしている。

その間に、もう一人の警官はこの後に及んでまだ、完璧に寝ていた東洋人カップルがたたき起こした。

東洋人カップルの顔とパスポート写真を比べること、5往復。

「・・・・・」

警官は彼らの手を引っぱり、なんと東洋人カップルは連行されていってしまった。

えぇっ!!

まったく予期していなかったこの展開に客車の通路に出てみると、真夜中なのに、客車内の全部のコンパートメントのドアが開いて大勢の乗客が起きだしていた。

そして、あっちでもこっちでも男女関係なく、わくわく興奮したようすでフランス語で盛り上がっている。

なにかこう、行きずりの人同士、ゴシップネタですっかり盛り上がっている感じ。

なにがなんだかわからないまま、ぼーっと彼らを見ていたら、一人のおじさんが僕に気がついて、英語で話しかけてきてくれた。

「あの連行された二人は、本当は中国人なんだけど、偽の日本人パスポートを使ってたんだ。」

「え!!」

「でも、パスポートの年齢では48才となっているのに、実物があまりに若かったんだって。」

そういえば僕は、勝手に彼らをハネムーンだと思い込んでいた。

「その上で日本人のキミが『日本語を話していない』って言ってたのを、ミラノの彼女が警官に伝えたのが決定的だったんだ。」

「・・・・・!!」

さっき彼女が警官と話し込んでいたのは、そういう内容!?

僕はさっきのことを思い出して黙っていると、今度はその隣からコートの紳士がやってきて言った。

「キミは最初から、彼らがインチキだ、って知ってたんじゃないか?」

「えっ・・・・あ・・・」

言われてみれば確かに、僕は彼らが日本人でないと確信した上で、日本のパスポートを提出するところも見ていた。

これで何も知らないと言ったら僕は、あまりにもナイーブということだろうか?

でも、ドキマギする僕に構わず、コートの紳士は楽しそうに雑談をつづけた。

「この列車ではときどきこういう事件があってさ、以前にも男が女装して、女性パスポートを使っているのがバレてつかまっていったのを見たよ。」

その後、あの中国人カップルがどうなったのか僕には知る由もない。

でも、『ハネムーンの中国人カップル』が『僕のせい』もあって、フランス警察につかまり、その様子が周囲にたまたま居合わせたフランス人達の非日常・娯楽ネタを提供したという事実は、その日の僕にとってあまり気分のいいものではなかったように記憶している。



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2009/04/04

SFコンパートメントの乗客たち

イタリア人青年に防犯指導を受けた翌日、僕はコンパートメントに鍵をかけることを気にかけながら、ミラノからパリにいくクシェットを取り、コンパートメントの中に入った。

クシェットのある客車の横には"SF"と書いてあるが、これは本当はFSと読みイタリア国鉄を意味するものらしい。

クシェットに用意されていた毛布は、紙でできていた。

数日前に乗ったフランスSNCFでは薄くてもちゃんと毛布だったのだが、イタリアではこの毛布でさえも取られてしまうから紙製なのか?

イスを変形させて3段ベットが両側に出来上がることになるので、コンパートメントには最大6人入れるのだが、ここでは5人だった。

僕の他は、フランス人の女性が二人。それから反対側には無口な東洋人のカップル。

そういえば、クシェットのコンパートメントでは男女を分けるようなことはないらしい。

東洋人のカップルは、おみやげらしきものが入った袋を2つ3つ持っていた。見たところハネムーンに見えるが、どういうわけか極端に無口で、同じ東洋人の僕との交流は全く望んでいないようだった。

他方で、フランス人女性2人のうち一人は英語ができ、ミラノ在住の彼女はとても積極的に話かけてきた。

「こういうときにはやっぱり英語が使えるのよね。

 私思うんだけど、世界の共通語は英語であるべきだとおもうわ。」


僕は、フランス人からこういうコメントが出てきたことにやや面喰っていた。なにしろ数日前にフランス語ができなくて、罰金を取られたばかりである。

「英語は、しかも効率的だと思うの。」

「・・・何か例がある?」

「たとえば、電気製品の説明文はたいてい英語が一番短いわ。」

「・・・・・うん」

こんな会話をしている横で、東洋人のカップルは小声で何かをしゃべっていた。どうやら中国語のように聞こえた。

「それに比べると日本語とか中国語とかあんなに文字数があるのは無意味よ。

 少なくとも外国人が学ぶ必要はないわ。

 だいたい日本語には何文字あるの?」


「普通に読むには、漢字はだいたい2千くらい必要かな。」

「ほら。英語はたったの26文字よ。はるかに簡単だわ。」

そうこうするうちにノックがあって車掌がやってきて、今まで座っていたイスを変形して3段寝台をセットしてくれた。

それに、もう一つ重要なことに、この列車は夜のうちに、国境を越えてフランスまで行くので、車掌は先にチケットやパスポートを乗客から預かっておき、翌朝、国境通過後・下車前に車掌からパスポートを返してくれることになっている。

車掌に従い、僕、フランス女性2人組とチケットとパスポートを渡したあと、東洋人カップルの男性がカバンから2通のパスポートを出したのが見えた。

ん!!

東洋人カップルの出したパスポートは間違いなく赤い日本のパスポート。

「・・・・・」

車掌が去ると、再びミラノ在住の彼女が言った。

「車掌が行ったから、カギを掛けてくださる?」

「オーケー」 

ガチャ。

そうだった。これが大事なんだった。東洋人のカップルはもうクシェットのカーテンを閉めていた。

「そういえば、向こうの東洋人2人は日本のパスポートだったよ。」

「じゃあ、あなたと同じ日本人なのね」

「いや・・・さっき話した声は日本語には聞こえなかったような気がする、よくわかんないけど・・・」

彼女は気軽に答えた。

「じゃあ、きっと方言なのね。

 イタリアでも一応標準語ってあるけど、やっぱり方言の差があって、南と北ではぜんぜん違うもの。」


「・・・・・」

僕らは適当に会話を打ち切り、それぞれクシェットのカーテンを閉めて寝た。

事件は夜半におきた。

(次回; 隣の客は偽パスポート)



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2009/03/27

塩サウナはイニシエーション!?

あるときにフランス人Jを車に乗せて、ファミリー銭湯につれていった。

幹線沿いにある、駐車場付きの「△△の湯」ってやつだ。

「△△の湯」の中にはいろいろな部屋やバスタブが用意されている。

僕らは一緒に一通りの設備を一周することにした。

・サウナ

・露天の岩風呂

・水風呂  ・・・つめたいから、手でさわっただけだけど

・ひのき湯

・うたせ湯

・塩サウナ


(サウナの中に塩の桶があって、適宜、肌にすりこんでくださいっていうやつ)

さて、塩サウナを終えて出てきたとき、フランス人Jはこう言った。

「これで私は本当のジャパニーズになった。」

いやいや、勝手にイニシエーション扱いされては困る。

僕は生粋の日本人だが、塩サウナなんてやつは初めて見た。



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2009/03/25

東京と京都にあって、大阪にないもの

フランス人のEさんはとあるときにこんなやりとりをしていた。

「Eさん、フランス語で東京人ってなんていうの?」

「東京人は トーキョーイット〔"Tokyoit"〕 といいます。 

おなじように京都人は、キョートイット〔"Kyotoit"〕」 


それを見ていた大阪出身のKさんが聞いた。

「じゃあ、大阪人は?」

「・・・・・そういう言い方はない。」

「オーサカイット じゃないの?」

「残念ながら、オーサカイットとは言わないし、そういう表現はしないわ」

大阪出身のKさんはとても不満そうに続けた。

「でも、大阪人っていいたいときにはなんていうの?」

「うーん・・・・・・『大阪の人』("person d'Osaka")」

東京と京都にあって、大阪にないという事実を、大阪人Kさんが受け入れ難く、といって誰も非難できないでいるのを見ているのはとてもおかしかった。



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2009/03/24

スキン・コート

ある年の正月明けにUK出張をすることになった。

出張直前の電話会議での最後に、僕はUKにいる相手側担当者のフランス人のVさん〔女性〕にちょっとシリアスな声でこう言ってみた。

「それじゃあ、詳しいお話は来週、UKでお会いしたときにしましょう。 

でも、実は僕はUKに行くのを恐れています。」


すると、Vさんは何か仕事上まずいことがあるのではないか、という感じで心配そうに聞いてくれた。

「・・・・どうして?」

「今年のUKの冬は、特に寒いらしいですね。僕は寒いのはとても苦手なので・・・。」

すると、Vさんは安心したように笑いながらこういった。

「寒い? ぜんぜん大丈夫よ。

だから、スキン・コート一枚あれば、それで十分よ!! 」


ん!? 『スキン・コート』って、つまり、肌の皮一枚ってことか!?

「冗談よ、冗談!! はっはははは!!」

さすがはフランス人、きれいに返されてしまったのだった。



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2009/02/19

セキュリティーカードを三回なくしたフランス人

先日、会社にビジターとして一週間日本に滞在したフランス女性のVさんに僕は滞在最終日にこう言った。

「じゃあ、最後にセキュリティー・カードを僕に返して行ってくださいね。」

するとVさん、ちょっと、いたずらっぽい顔をしながらこういった。

「ごめんなさいね。トイレでなくしちゃって、無いの。ごめんね。」

うふふ、っていう感じ。

Vさんって、実はかなり偉い人なのだが、こんなときには全然そんな感じがない。

僕は「うふふ」に負けて簡単に彼女を許してしまった。

が、Vさんが帰った後で、このことを伝えると秘書コズエさんが膨れて言った。

「えーっ!! も~!! あのカード三枚目よ!!」

僕もびっくり。

「えっ、そうだったんですか?」

「トイレでなくしたっていうから、二回も新しいカードを渡したのに~。」

そうかぁ、Vさんは一週間にトイレで三枚紛失。

でも、僕の心の中ではなぜかコズエさんの膨れっ面よりも、Vさんの「うふふ」が圧勝していたのだった。

なんでなんだろ。



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2009/02/06

とても不親切なパリのサンドイッチ屋

TGVでフランス人の車掌と口論したあげくに罰金まで取られ、不機嫌なまま僕はパリに到着した。

もう夕方である。

とりあえず、何か食べよう。。。

駅の中をあるいていると、なにやら片付けをしている露天のサンドイッチ屋があった。

僕がどんなサンドイッチがあるのか眺めていると、サンドイッチ屋のにいちゃんが話しかけてきた。

「ねぇ、キミ。ペンを持っていないか?」

「あぁ~、あると思う。ちょっと待って。」

あとからよく考えると、なんでサンドイッチ屋が通行人にペンを要求するのか、おかしなことだが、その時は何も思わず、リュックの中にはペンがあることを思いだしただけだった。

僕は背負っていた赤いリュックを下ろして、チャックを開け、見知らぬフランス男・サンドイッチ屋のために一生懸命ペンをがさがさ探し、ついにペンを探して取り出した。

「あった!! はい、ペンだよ、どうぞ。」

サンドイッチ屋は

「ありがと。」

といって受けとり、紙になにやらメモをちょっと書いて、ペンを僕に返した。

彼の書きつけ作業が終わったので、今度は僕はサンドイッチ屋に言った。

「このサンドイッチを一つくれる?」

するとサンドイッチ屋のにいちゃんは冷たく一言。

「今日は、もう店じまいだから売らない。」


なにー!! 

こっちはわざわざリュックを下ろしてペンを出して、貸してやったのにそんなこというのかよー!!

ここに至り、僕のフランス人不信は決定的となった。

これ以後、約10年間にわたり僕は「フランス嫌い」になる。


僕の中でフランス人が復権し、フランス好きに変わるのは、後にふとしたことからフランス語学校に通うようになり、彼らのやり口を理解してからのことなのだった。




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2009/01/26

TGVで車掌と口論したあげく、罰金を取られる

ボルドー駅インフォメーションでは英語が全く使えなかったので、僕はとりあえず駅のホームに入った。

掲示板には駅に発着するいろいろなSNCF電車が行先別に出ている。

が、行き先の地名がわからん列車ばかりで、ローカルなのか、幹線なのかもわからない。

しばらく見ていると、はっきり中身のわかる電車を発見した。

"Paris"、"TGV"

などと書いている。これなら僕にもわかる。唐突だが、これに乗ることにした。

だいたい予定外にマルセイユ経由、ボルドーにやってきたがそもそも僕はパリに行くつもりだったのだ。

案内に出ているホームに行くとオレンジ色の流線型の電車が止まっていて、側面にTGVと書いてある。

ちょうど、見知らぬ夫婦が先頭車両をバックに写真を撮っているところだった。

手元にあるユーレイルパスの裏をひっくり返して読んでいくと、あまりはっきりしないがこのチケットでTGVにも乗れるようだ。

適当な車両に乗り込み、入って2、3列目の空いている席に適当に座った。

ほどなくして、TGVは発車。

確かに早い。

でも、線路も地面も平らでまっすぐだ。この環境で新幹線と速度比べをするのは不公平かもしれない。

などと思っていると大柄なフランス人車掌が入ってきて、一人一人の検札をはじめた。

僕は、やってきた車掌に無造作にユーレールパスの紙の束をバサッと手渡した。

車掌はチケットの束をひっくり返して眺めて、なにやらフランス語で話かけてきた。

当時の僕はフランス語が全くわからなかったから、車掌が何を言っているのかちんぷんかんぷんだ。

が、なにか僕にとって都合の悪いことが起こっているのは明らかだろう。

しかも、金を払えといっているようだ。

車掌の言っていることは全くわからなかったが、どうも90フランと言っている。

結構な大金だ。しかも支払ねばならない理由が不明だ。

そこで僕は立ち上がって、車掌が持っている僕のユーレールパスの裏をひっくり返して、TGVに使えると書いてあるところを指して、英語で言った。

「見てくれ、ここに、このチケットは、TGVにも使えると書いてある」

すると車掌は該当部分をたどたどしく読み返し、フランス語に戻って何やら言い始めた。

やっぱり90フランを支払えといっているらしい。

しかし、そんな大金を理由もわからんまま支払わけにはいかない。

8割くらい席の埋まっている状況でまわりの乗客を振りかえって、叫んでみた。

「誰か英語はできませんか?」

しかし、このフランス人がもっとも嫌いそうなセリフは、丸無視され、まわりの乗客は誰ひとり、表情ひとつ変えず、静かに座っていた。

しかたがないので、とりあえず英語で再び言い返す。

「このチケットは、TGVにも使えると書いてある」

こうして車掌と僕は、高速走行するTGVの車内で、英語とフランス語のかみ合わない言い争いを際限なく続けた。どうせこっちはヒマ人だし、訳も分からず金を払うなんてまっぴらだ。

なんならパリまでこのまま続けてやろうと思った。

言い争うこと15分。

どこかからか、終わりそうもない言い争いのうるささにうんざりしたのか、赤いシャツを着た一人のおじさんが間に現れた。

赤シャツのおじさんは英語でこう言った。

「よろしい。僕が説明してあげよう。」

「はい。ありがとうございます。」

「あんたは、予約をしないでこの電車に乗っている。だから、予約なし乗車の罰金を支払わなきゃいけない。罰金の金額は90フランだ。」

「はぁ、そういうことですか」

そう説明されてしまうと支払いしないわけにはいかない。いまいましいが、払えるくらいのフランを持っていた。

罰金を支払い、そのまま座ろうとすると、そこはだめだという。

赤シャツおじさんが再び言ってくれた。

「そこは予約があるから、座ってはいけない。替わりに向こうの席に座れって。」

こうして僕は罰金を支払って、TGVに乗った。

パリで下車すると、再び赤シャツおじさんが近づいてきてちょっと雑談してくれた。

おじさんは、フランス人ではなく、ベルギー人だった。

僕は赤シャツおじさんの好意に感謝を伝え、深くおじぎをして見送った。



それにしても

「誰か英語はできませんか?」

と僕がまわりの乗客に頼んだときに、この英語がわかった人は周りにもっといたに違いない。

あのときに乗客たちが一人残らず、表情ひとつ変えず座っていた光景を僕はきっと生涯忘れない。




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2009/01/24

ボルドー駅インフォメーションで、英語を拒絶される

ボルドーで一泊した僕は、せっかくボルドーに来たのだからとわざわざブラッスリーに行き、赤のグラスワインを注文し、プーレ(とりにく)を食べて寝た。

グラスワインは前日にあけた瓶の残りを出してきたような、酸化した味がした。

さて、翌朝。

僕は電車でサン・セバスチャンに行こうと考えていたので、ボルドー駅に行き、インフォメーションのおねえさんに英語で尋ねた。

「サン・セバスチャンに行きたいのですが、どの電車で行けますか?」

すると、インフォメーションのおねえさんは感情なく、かつ、極めて流暢な英語でこう答えた。

「私は英語を話しません。」

このおねえさん、インフォメーションの席に座っているくせに、まったく箸にも棒にもかからない感じだった。




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2009/01/19

これは、「あんぽんたん」だ

外資に勤めるある知人に聞いた話。

あるとき、フランス人のエクスパットが赴任してきて、最初に日本人の部下を集めてしばしば英語で話をしたそうだ。

ところが、このフランス人、英語を話すときのフランス語訛りがとても強い。

例えば、何か言いたいことを言うたびに、最後に

「これは大事だ」

ということで、

"This is important" 

と繰り返し言う癖があったのだが、この決めフレーズを言うときのフランス語訛りが強すぎ、

「ディス イズ アンポータン」

というように発声していた。

 (訛りというより、単語ベースでフランス語そのままだ)

このフランス人外資エクスパットは、日ならずして日本人の間で

 「あんぽんたん」

というあだ名が付いたのだった。



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