2009/01/07

カレーでやむなくニース行き最終列車に乗る

ドーバー海峡を船でわたる。昔やってみたこと。

英国国鉄を使って、終点ドーバー(Dover)までやってきた僕は、あまり苦労もせず、対岸の大陸側・カレー(Calais)行きのフェリーのチケットを購入した。

やがて、フェリーが出発すると、夕方のやや薄暗くなり始め、どんより曇った灰色の空の下、ドーバーの白い崖が離れていくのを見た。

さて、カレー到着。とっぷり日がくれてあたりは真っ暗だ。

カレー港付近には、明かりらしきものはほとんど何も見えない。ただただ真っ暗だ。

フランスに上陸しては見たものの、カレーで見たのは駅と発車を待つ列車のみだった。

「この列車はどこに行くんですか?」

「これはマルセイユ・ニースに行く。」

「パリに行きたいんですが?」

「無理だ。この列車は今日の最終だ。」

はぁ・・・、確かに真っ暗だけどさ、まだ7時半なんだけどなぁ・・・。

えぇぇぇぇ、終電かよぉ・・・これ。

「あのー、マルセイユに行く途中とかで降りられませんか?」

「これは寝台列車で、次の停車駅は翌朝8時にマルセイユ。それまではどこにも止まらない。」

7時半の終電もびっくりしたが、これはこれでびっくりだ。

「どうする?」

「あぁ・・・あの、乗ります。」

別にマルセイユに行かなくてもいいのだが、何もなさそうな真っ暗な町に置いて行かれるのは困る。

かくて僕は、パリに行くつもりが、クシェット(寝台)を取り、ニース行き最終列車に乗ったのだった。

こんな、なりゆきな旅行をしてた頃がなつかしい・・・



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