TGVでフランス人の車掌と口論したあげくに罰金まで取られ、不機嫌なまま僕はパリに到着した。
もう夕方である。
とりあえず、何か食べよう。。。
駅の中をあるいていると、なにやら片付けをしている露天のサンドイッチ屋があった。
僕がどんなサンドイッチがあるのか眺めていると、サンドイッチ屋のにいちゃんが話しかけてきた。
「ねぇ、キミ。ペンを持っていないか?」
「あぁ~、あると思う。ちょっと待って。」
あとからよく考えると、なんでサンドイッチ屋が通行人にペンを要求するのか、おかしなことだが、その時は何も思わず、リュックの中にはペンがあることを思いだしただけだった。
僕は背負っていた赤いリュックを下ろして、チャックを開け、見知らぬフランス男・サンドイッチ屋のために一生懸命ペンをがさがさ探し、ついにペンを探して取り出した。
「あった!! はい、ペンだよ、どうぞ。」
サンドイッチ屋は
「ありがと。」
といって受けとり、紙になにやらメモをちょっと書いて、ペンを僕に返した。
彼の書きつけ作業が終わったので、今度は僕はサンドイッチ屋に言った。
「このサンドイッチを一つくれる?」
するとサンドイッチ屋のにいちゃんは冷たく一言。
「今日は、もう店じまいだから売らない。」
なにー!!
こっちはわざわざリュックを下ろしてペンを出して、貸してやったのにそんなこというのかよー!!
ここに至り、僕のフランス人不信は決定的となった。
これ以後、約10年間にわたり僕は「フランス嫌い」になる。
僕の中でフランス人が復権し、フランス好きに変わるのは、後にふとしたことからフランス語学校に通うようになり、彼らのやり口を理解してからのことなのだった。
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