「よし、ベンガル出身インド人の俺が、お前にカレーの作り方を教えてやろう」
「ホント?」
「ああ、カレーはとてもシンプルで、おいしい料理だ」
「ありがとう。で、どうするの」
「まず、玉ねぎを多めに刻む」
「うん」
「この玉ねぎをゆっくり炒める。ここがカレーで一番大事なところだ。
一番弱い火でゆっくり30分くらい焦げ付かないように動かす。
しっかり茶色になるまで、焦がさずに、だ。
これさえやっとけば、必ずうまいカレーができる。」
「わかった。それで?」
「あとはテキトーでいい。」
「えっ!?」
「水入れて、何か好きな具を入れて、それからテキトーにスパイスを入れる。」
「テキトーにスパイスなんて言われても、よくわかんないよ!!」
「いいんだ。どのスパイスをどんな風に入れるなんて家によって全然違うし、みんな、その日の気分でテキトーにすり鉢に入れてまぜてるだけなんだ。」
「・・・・・」
「だから、何をしなきゃいけない、なんてものは無い。趣味だけだ。」
「・・・・・」
「とにかく大事なのは、玉ねぎを30分かけてゆっくり炒めること、それだけ」
以来、僕はアーリジットの教えを守り、カレーを作るときには
玉ねぎだけはしっかり炒め、何も知らないまま本当にテキトーにスパイスを加えている。
でもね、彼の言うとおり、これで、『それなりのインドカレー』がちゃんとできあがるのだ。
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4 件のコメント:
えー?! そうなんですか?
家庭によってすごいレシピがあるものだとばっかり思ってました(笑)
今度から玉ねぎをじっくり炒めることにします。
はじめまして。
ブログ村から来ました。
ものすごくおもしろいのでいろいろと読ませていただきました。
今後も楽しみにしてます。
to 猫やしきさん
まぁ、独身男の説明ですからね。。。猫やしきさんのようなセミプロ向けとは違います。
でも、もし猫やしきさんが、外人から「うまいみそ汁の作り方を教えてくれ」って聞かれたら、味噌についてどうこうとかではなくて、「前の晩から煮干しを入れとけ」なんて説明するんではありませんか?
to あろあろさん
ありがとうございます。限られた時間の中でコメントを書いていただけるのは、とてもうれしいです。
もうしばらくは更新できることがわかっているので(すでにセットしてある)、気が向いたらまたおいでください。
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