その翌日、ミスター・マサオのいう「ジャーマン・タウンの知り合い」が2人やってきた。
ミスターに呼ばれて出ていくとドイツ人のお爺さんが2人いた。
「兄のハンスです」
「弟のハインツです」
握手しながらケチャップみたいな名前だと思った。
「こんにちは、こんにちは」
彼ら兄弟はジャーマン・タウンで隠居生活をしていて、ときどき気が向くと留学寮にやってきて日本人に会うのを楽しみにしているという。
・・・・・なんで日本人なんだ?
「ミスター・マサオがいなくなって、残念だけど今度はキミに会いに来るよ」
・・・・・・確かにこれは引き継ぎには違いない
するとハインツはカバンからタオルのようなものを出して渡してきた。
「キミにこれをつけてもらいたい」
伸ばして見ると、それは白いハチマキに真っ赤な日の丸、
その上に達筆な筆ペンで「日本を愛す」と漢字で書いてあった。
つづく
面白いと思えたら、クリックお願いします
0 件のコメント:
コメントを投稿