2008/12/12

一本締めができなかったフランス人

ある時に、日本に来ているフランス人留学生クレアと、中国人張さんを数人の日本人で囲んで飲み会をした。

で、飲み会の最後に幹事格のキシさんの提案で、一本締めをやることなったが、クレアは一本締めを知らなかったので、まずキシさんは一本締めの説明を始めた。

「いいかな、両手を前に出して。そう。ぼくが『よ~おっ』っていってから、みんなでパンと拍手を一回するんだ。わかった?」

「・・・・・」

「タイミングは、よ~おっ、パン、っていう感じ。」

「わかったわ」

で、キシさんの音頭で一本締めを始めた。

「みなさん、今日はお疲れ様でした。最後に一本締めで終わりたいと思います。お手を拝借、よ~おっ」

パン パン

二回目のパンはクレアだった。一本に締まらなかったのだ。

「あっ、も一回、も一回」

というフォローが入って、二回目。

「よ~おっ」

パン パン

「あれー、ちょっと練習しようか」

で、ちょっと練習した。

「じゃあ、これで最後ね、お手を拝借、よ~おっ」

パン、パン

クリアは早めにという意識が強すぎて、今度は早くたたきすぎたのだった。
結局この日、何度やってもクレアは一本締めができず、ちょっと落ち込んでいた。

不思議なのは、中国人張さんはこれを何の苦もなくやってのけたことである。

日本語のボキャブラリーとかはおそらく勉強時間に比例して、クレアの方が張さんよりも上だったが、しかし、クレアの前にはどうしても超えがたい、非言語障壁が立ちはだかっていたのだった。

僕は、西洋人のパーティーにうまく入れない感じがするときに、今でもときどき、クレアの一本締め事件を思い出す。


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2 件のコメント:

shoot604 さんのコメント...

これおもしろいですね~
アジアとヨーロッパでは何かリズムが違うんでしょうかね?
わたしもちょっと誰かで試してみたいと思います(笑)

たまーむ さんのコメント...

ありがとうございます。

きっと、なにかあるんでしょう。

このあとも、なんどやっても、ぜんぜんダメでしたから。

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