2008/09/10

しつこくお茶に誘うイスタンブールの男

観光旅行でイスタンブールに行ったとき、アヤソフィア見学から出てくると、
ややひと懐っこい、背の低めのトルコ男が日本語で話しかけてきた。


「コンニチハ~」


実はこれに弱い。予期していないところで日本語で話しかけられると、
わかっていても、つい反射的に振り返ってしまう。

で、こいつの場合はこんなことだった。

「ニホンゴ ヲ、勉強シテイマス。 オ茶 ヲ ゴチソウ シマス、来テクダサイ」

「話するのはいいけど、お茶はいらない」

話をしていくと、彼のストーリーは、
日本人と文通しているのだが、手紙の意味がわからないところがあり、
うちでお茶でも飲みながら、教えて欲しい、とのことだった。

でも、こちらとしても、あまりすっきりしないので変にフレンドリーな
押し問答となった。

「手紙ならここで見てやるよ」

「手紙トテモ ナガイデス オ茶 イキマショウ」

「お茶いらない」

「ドウシテデスカ トモダチ トモダチ」

10分ほどして彼はあきらめて去っていった。
でも、なぜこんなに長くなったのか、思い返すと
初対面の彼がきめ台詞のように言ってくる 「トモダチ トモダチ」に対して
どうも効果的に言い返せていないことに思い当たった。

もし、

「今ここで初めてあったお前は、私のトモダチじゃない。」

と返していれば、きっと毒づかれながらも、即、撃退できたに違いない。

彼の「トモダチ」アプローチには、日本人が否定しにくい何かのキーが
含まれているような気がしてならない。

後日、新聞で知ったこと。
その頃、アヤソフィア近辺で日本人が睡眠薬を飲まされて、
身ぐるみをはがされる事件が連続していた。

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まったく別件だが、わりと最近、新聞屋の勧誘問答で似た経験をした。
その新聞屋の営業いわく

「僕の顔を立てると思って」、某新聞をとってくれ、と繰り返して言うのだが、

後でふと思った。

「何で新聞屋の顔を立てなきゃいけないんだ?」



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