山東省出身の黄さんは、奥さんが日本人なのもあってかなり日本語が上手で、話をしていてもほとんど違和感がない。
あるときのこと。
「黄さんは、ホントに日本語に違和感がないね」
とほめると、黄さんは
「いや、そんなことないですよ。日本人みたいに擬音語は使えないです。」
「擬音語?」
「日本人はよく、『さっと』片付けるとか、『ぱっと』思い出すとか、言うじゃないですか。」
「うん、よく言うね」
「『早く片付ける』って言いたいんだったら『早く』って言えばいいじゃないですか?」
「確かにね・・・」
「それなのに『ぱっと』とか、『さっと』とか、なんですか、それ?・・・そういうのは意味よくわかないし、だから使えない」
黄さんは日本語一級を持つような、しっかり日本語を勉強しきった人である。
この彼のコメントは、理屈と勉強では越えられないものに対する、心の叫びのように感じられた。
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