ある日のこと。
ジューイッシュ・アメリカンのポールの車に何人か相乗りして、フィラデルフィアのサウス・ストリートにあるバーに行ったことがあった。
テーブルが話し込むうちに、うち一人がハーバード大学生であることが判明した。
酒がすすむうちに、ハーバード君は大変饒舌になり自分のキャリアプランなるものを語ってくれた。
「来年、僕は卒業したら会社を興すつもりなんだ。」
「ふーん」
「そして、僕の目標はだね、35才までに5億円を稼ぐことだ。」
「なんで5億円?」
「5億円あれば、もう生涯年収を達成だ。だから、35才で仕事から引退できる。」
「そんなに早く隠居して何するの?」
「決まっているじゃないか。船とかに乗ってゆっくり世界旅行に出かけるんだ」
僕はこの話を異次元のものとして聞いていた。
そもそも「早期引退」を目標にがむしゃらに仕事をする、という勤労感は僕の思いつく範囲にはなかったのだ。
で、今これを書いていて思うこと。
ハーバード君の人生目標が世界旅行なんだったら、彼は、35才までに金を稼ぐなんてことに関係なく、卒業前に一回世界旅行に出発すれば、それでいいんではあるまいか?
その後、彼がどうなったのかは知る由もない・・。
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