クリスマスを迎えたころ、留学寮の中では人が閑散としてきた。
多くの人が家に帰るためである。
といって、全員がいなくなるわけではなく、
クリスマス前日・当日には僕も含めて、20人くらい残っていた。
で、ドミトリー主催でパーティーが催され、ターキー等クリスマスディナーが振舞われた。
なんだか、
「お前たち、クリスマスにドミトリーに残っているなんて可哀そう」
と言わんばかりの扱いだが、タダでターキーが食えるのは悪い話ではない。
で、みんなが満腹して打ち解けたころ、どうやって始まったのか、
全く記憶にないが、誰かクリスマスで、感謝の念でいっぱいになったのか、
なぜか「ホタルの光」を歌いだした奴がいた。
で、その場にいたバックグラウンドの異なる、欧州系、アジア系等ほとんどの人がそれぞれの言語の歌詞で歌に加わり、壮大な合唱になったのだった。
こんなに系統の異なるいろいろな人が共有していて、かつ、一緒に歌えていることに僕はとても感動した。
ところが、この場で一人のアメリカ男性いて、彼は唯一「ホタルの光」を知らず、歌えていなかった。
そのアメリカ男は、周りにいた欧州人はもとより、インド人も、アイルランド人も、なぜか韓国人から日本人にいたるまで全員がこの歌を空で歌えている、という驚異の事実を前に、自分にはなにか重大な教養・常識が欠落しているのではとでもいうように、びびっていたのが、とても面白かった。
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