あるとき釜山でウナギを食べた。
夕食に何を食べようかな、と思いながら釜山の街をあるいている目の前に現れたのは店頭に生け簀のある食堂。
水槽には何がいるのか、と思って覗き込むと、なんと生け簀にはウナギが数匹クネクネ泳いでいた。
これを見て、
「韓国でもウナギを食べるんだ!?」
と思ったのだが、ふと浮かんだ疑問があった。
「蒲焼じゃないよなぁ~、きっと。。。。」
じゃあいったい韓国ではどんな風にウナギを料理するのか?
素人目にも蒲焼って言うのはかなり特殊な料理である。どのくらい特殊かって、いまだかつて僕は家でウナギを捌いて蒲焼にしました、なんていう人物にはお目にかかったことがないくらいだ。
「よし、ウナギを食ってみるのだ」
そう決意した僕は、引き戸に手をかけてその食堂に入った。
生け簀があるからって、特に高級な食堂にも見えない。床はコンクリートむき出しだった。
さて、適当な椅子に腰掛けた僕は、店のおばさんにつたない韓国語で、
「外にいる魚を食いたい」
と注文した。
料理の方法はまったく聞かれなかった。
まったくのお任せだが、間違いなく未知のウナギ料理が食えるに違いない。
つづく
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