あるとき、UKに出張していたとき英国人ABの車で移動をすることになった。
ABは彼女の普段の物静かで常識的なな言動からは信じられないほど、車を運転するとせっかちだった。
車でわずか30分の道のりの間に
「あ、ここは混んでるわね」
とそう言って、ラウンドアバウトをぐるぐるまわって、予定とは別の方向にルートを切り替えるということを頻繁に何度も繰り返し、助手席にのっていた僕はすっかり方向がわからなくなってしまった。
これでは一人では帰るにも方向さえ全くわからない。
ラウンドアバウトとは信号のない、ロータリー式の交差点である。
ラウンドアバウトに進入する車は、周回中の車に対して譲ることになっているので、ABの車はいったん停止した上で、右から回ってくる車の間に入るように、アクセルを踏み込み、行き先の方向によっては内周に入った上で行きたい方向で、進入車を止めながらカーブして出ていく。
なんで、周回が優先なのか?
進入車に対して、周回車を優先させてラウンドから出していかないと、周回ゾーンが回らなくなってしまうからだろう。
この仕組みはある程度うまくいっていて、他からの渋滞がラウンドにまで影響するような場合、内周ルートが回れるようにちゃんと残るようになる。
もっともどこにラウンドアバウトを設置して、どこに信号機をつけているのか、の判断基準はよくわからない。
そんなことを、もやもや考えている僕をよそにABは、猛スピードで運転しつづけた。
しばらくすると道も空いてきたが、ラウンドアバウトでは単なる直進をするのにも車は、ラウンドを半周することになる。
直進・ブレーキ・半周、直進・ブレーキ・半周、直進・ブレーキ・半周・・・・・・・
「さぁ、ついたわよ」
やっと目的地についたとき、僕はすっかり目が回りふらふらになって車を降りた。
つまり、なにかっていうと、あのー、ラウンドアバウトはキライです。はい。
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