2009/07/01

韓国男・プロポーズの酒

あるとき、知り合いのナオミが家でパーティーをするというので遊びにいった。

しばらく飲み食いして、次に何を飲もうかというときに、ナオミは、ふと戸棚の中から青い陶器製の壺を取り出してきた。

「こんなの飲んでみる?」

青磁の水差しのような壺。側面には「花郎」と漢字で書いてある。750mlくらいか?

「なにそれ? 日本酒?」

「日本酒じゃない。よくわかんない韓国の酒。

 聞いても誰も知らない酒なの。」


「なんでそんなの持ってるの?」

「昔、もらったのよ。韓国人の男の人に。」

「その酒を?」

「そう。

 かなり昔なんだけど、ある韓国の男の人にとても気に入られちゃったの。

 で、ある日、その人が韓国から会いに行くからって言われて

 家で待ってたのね。

 そしたら、韓国からこのお酒を持ってうちにやってきて、いきなり

 『あなたをお嫁さんにしたい』って。」


「えっ、プロポーズの酒!? かなり高い酒なんじゃないの?」

ナオミは封を切りながら答えた。

「だから、飲んでみない?

 いい酒なんだろうと思うんだけど、中の色も見えないし、

 どんな酒かもわからないから、ずっとあけてないままなのよ。」


「うん。あけよう。」

ナオミはグラスに正体不明の酒を入れてくれた。黄色っぽい褐色の液体。

「カンパーイ」

かなりこくのある、甘めの日本酒のような味。

「おいしいね」

「うん、もうちょっと」

「で、そのプロポーズどうしたの?」

「断って帰ってもらった。だって、2回しかあったことないんだよ。」

ラベルの位置には「花郎」と書いてある。

どこかで見たような気がする、この名前・・・。

・・・・!!!

慶州で入り口で門番に追い出された建物「花郎教育院」。
慶州・「花郎教育院」の門番に追い出される

つづく




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