〔なぜ「花郎」を探しているのかはここを見てね 「韓国男・プロポーズの酒」)
「キムさん。僕は『花郎』という名前の韓国のお酒を探しています。
知っていますか?」
「花郎ですか?
どんな字を書きますか?」
そこで、僕は紙に書いて渡してみた。
「・・・・知りません」
「実は昨日、この『花郎』を探してロッテ・ワールドや百貨店などにも行ってみたのですが
ありませんでした。」
そうなのだ。
ロッテ・ワールドではとても流暢に日本語を話す上品なお姉さんがかなり時間をとってくれたのだが見つからなかった。
百貨店でも、何かを探しているとわかると売り子のお姉さんがたちまち2-3人集まってきてくれるのだが、これも駄目。
どういうわけか、韓国には「酒店」なるカテゴリに該当するような店もほとんど当たらなかった。
普通の雑貨店やスーパーの一角にジュースなどと一緒に数種類の酒が売られている。
きっと韓国では日本にように酒販売の免許などがないのだろう。
それでもこの話を聞くと、キム氏は僕と一緒に花郎探しに付き合ってくれた。
「韓国では、同じ酒でも道(県みたいな行政区画)によって、酒の名称が違うことがよくあります。」
しかし、どの店に聞いても『花郎』という名前さえ聞いたことがないといわれる始末。
「同じ名前の酒でも別の酒だったりすることもあります。」
百貨店2店、スーパー1店、国際市場内の酒店1店を回って手掛かりがないどころか絶望的な状況が確定し、僕は「花郎」を見つけられずに日本に帰る、はすだった。
ところがである。
実のところ、僕は「花郎」お土産に買って帰ったのだ。
どこにあったか?
それは、空港の酒免税店。
後日調べたところ、「花郎」は輸出専用ブランドの法酒だったのである。
数日後、日本に帰った僕は、話の出所、ナオミに「花郎」をお土産として渡して、旅行談を話して聞かせていた。
「・・・というわけで、なかなか見つからなくて苦労したんだよ~、花郎。」
「へーぇ。そうだったんだ。」
「でもさ、ナオミにプロポーズした韓国の彼はなんで『花郎』を持ってきたのかな?」
「・・・ちょっと待って。
花郎って名前も現地の人はぜんぜん知らなかったんでしょ?」
「うん。誰に聞いても知らないって、言われた。」
ナオミはちょっと考えながら、一人つぶやいた。
「つまり、空港でついでに買ってきた、ってことね。」
韓国シリーズ「花郎をめぐって」おしまい
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