韓国・全州のバスターミナルのそばには旅人宿があった。
光州から大田に行く途中で、全州に立ち寄ったのだった。
ここの旅人宿は一泊8000ウォンだった。
宿のおばさんは僕の手から奪い取るように8000ウォンを受け取り、すっ飛ぶように消えていった。
なぜかはよくわからないが、消えていった先のあたりでおばちゃんが
「パルチョノン(8000ウォン)!! パルチョノン(8000ウォン)!!」
と叫んでいるのが聞こえた。
もしかして、ボラれているのか?
確かに風呂(沐浴湯;もぎょくたん)が使えない分、木浦の旅人宿が同じ8000ウォンだっだが、それよりも安くていいはすだ。
トイレは部屋から外に出た離れに共用トイレがあった。
部屋の中と、外との仕切りがなんと障子一枚のみ。
はたしてオンドル部屋といえども、夜の寒さがしのげるのか不安になってきた。
障子と床のすきまにタオルやら、靴下やらを詰めて部屋の空気を密閉させて寝た。
さて、その翌朝。さして寒くもなく眠れ、眼がさめた。
障子を開けて共用トイレにいくと、
なんとドアにフックを掛けられた上に南京錠が掛かっているではないか!!
昨日の夜は使えたはずなのに。
いったいどういうことだ。
ドアをあけようとしてがちゃがちゃやってみたが、フックと南京錠が外れるわけもなかった。
しかも、入口にはパルチョノンおばちゃんの姿も見えない・・・。
料金は先払いしてるし、もうここには用もないと思い、僕はしかたなく、
一人勝手にチェックアウトして隣のバスターミナルに出て行ったのだった。
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