ある冬の雪がちらついている夜のことだった。
外から留学寮に帰ってくると、寮の入口を目前にして突然目の前にホームレスの親子が現れた。
しまった。
夜だから用心していたつもりなのだが、寮入口にはいつもセキュリティーがいることもあって、その寮入口の目の前で、こんなことになると思っていなかったので、ちょっと甘かった・・・。
寮の入口5mくらいのところで、そのホームレスの親子は僕の行く手をさえぎるように止まり、かすれた声が話し掛けてきた。
「ボクらは、昨日から、何も食べてないんだ、助けてくれ。」
「・・・・・・」
彼らの頭と服の上は、白い雪がてんてんとしていた。
僕は首を横に振り、努めて平静を装い、でも背中に恐怖を感じながら、入口のドアに手を掛け、中に入った。
でも彼らは紳士だった。
それ以上何も言わず、追いかけもしてこなかった。
留学寮の自分の部屋にもどって窓の外の雪を見ながら、さっきの事件を思い出していた。
彼らのいうことは、うそには思えなかった。いや、きっと本当なんだろう。
2ドルもわたせば、彼らはコンビニWAWAに行って細長い食パンかなんか買ったはずなのに。
ここで告白・懺悔します。
すみませんでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿