留学寮で、僕は朝食にコーンフレークを常食していたので、しばしばスーパーにコークフレークを買いに行っていた。
である日のこと。行きつけの「倹約スーパー」に行ったところ、コーンフレークにはいつもより多い割引がついている。
これはいいぞと思って買い物カゴに入れて、レジに並んだがレジ係りの黒人のおばちゃんがレジを打って出してきた値段は棚に書いてあった値段とは違っていた。
「コークフレークの値段が、棚に書いてあるものと違うと思うんだけど」
「は~あ ??」
おばちゃんには全然聞こえていないのでもう一回。
「コークフレークの値段が、棚に書いてあるものと違うと思う」
するとおばちゃんは、あっさりこう言った。
「マネジャーに言いな!!」
おばちゃんは、無造作に傍らのボタンを押し、フロアーに電子音が響いた。誰かを呼んだらしい。
で、やってきたのは東洋系の全く愛想を感じない冷たい感じの30才くらいの男性。
僕の話を聞くと、極めて事務的に手元のファイルで書類をチェックしてこう言った。
「この値段で正しい。レジの結果は合っている。」
あんまり納得もしなかったのだが、差異は50セント程度のものだったので、まあ彼の事務確認があっているのだろうと思うことにした。
ところで、一連のプロセスで、日本と一番違うのは、全く取り付く島のないレジ係のおばちゃんの対応だろう。
日本だったら、レジ打ちの間違いは自分の間違いかもしれないという良心(?)もあって、レジ係の人がもう少し関心をもつと思うのだが、「倹約スーパー」のおばちやんはレジ打ちのみという仕事をアサインされており、一切の確認・対応は自分の仕事ではない、と完全に割り切っているのだ。
しかもこの態度じゃあ、客の側もレジ係に対して突っかかりようもない。
最近、日本では一部のトンでもない客に振り回されている気の毒なレジの方々がいるようだが、海外のレジは普通もっと取り付く島がなく、客の側も
「レジ打ってるだけだから、こいつに言ってもしょうがない」
みたいな共有理解があるんじゃなかろうか、と思う。
つまり、日本のレジ係りさんは、単なるレジ係りにもかかわらず、なにか「会社の顔」とか「客は神様」論にしばられて、余計なコミットをしているわけだ。
でも、そろそろ日本も客の方がレジ係りに気を使わなきゃいけないような風な世の中に変わっていく途中のような気がするね。
0 件のコメント:
コメントを投稿