外資エクスパットは当然、日本語ができない。
したがって、英語ができない人を集めてスピーチをするときには、当然通訳が必要となり、どうしても通訳経由のスピーチとなる。あるときスピーチの後で、ベルギー人外資エクスパットのオリビエに聞かれたことがある。
「オレのスピーチはどうだった?」
良かったと言ってもよかったのだが、僕はこう答えた。
「通訳に違和感があった。」
「どうして?」
「翻訳としてはあってるんだと思うけど、丁寧すぎる感じだ。」
「どういう意味だ?」
「日本語には敬語っていうものがあって、立場に応じた言い方っていうのがある。
同じ意味でも、フランス語みたいにいろんなトーンがある。」
「なるほど」
「あんたは役員なのに翻訳がソフトすぎて、目下から無理にお願いしているような感じだった。
直前の日本人役員のスピーチに比べてトーンが違いすぎた。」
「そうか、わかった。そういうことはなかなか誰も教えてくれないな」
そもそも彼のスピーチは理屈が多すぎて、なかなか通訳自体が追いつかない状態だったのだ。
が、自信満々に英語スピーチを終えたオリビエに、話がうまく伝わっていないことを伝えないと、後でまた誤解のもとになるからね。
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