中国に海外出張した折、長江を船で渡ったことがある。
ドライバーの王さんの運転で、車を走らせていくと道が渋滞していた。渋滞の先は長江の渡船場だという。道をそのまま進むと、長江にぶつかって行き止るようになっているのだが、道の先にボートが留めてある。そのまま細長いタグボート船の中に二車線分、順番に車を止めていって、車が一杯になったら向こう岸に渡船させる、という仕組みだ。
で、渋滞は、渡船に乗るために並んでいる渋滞だった。
でも王さんは、その渡船渋滞の横をスイスイ運転していく。
「えっ、船にのるんじゃないの?」
「大丈夫、いろいろやってるから横から優先して入れてくれるんだ」
「へ~、そうなんだ」
「でも、向こうからこっちに渡るときはダメだから、行列に並ばなきゃなんだけどね。」
これが中国流か?
長江はやっぱりとんでもなく大きく、やや茶色く濁っていた、深さはわからないがものすごい水量だ。この川のどこかには淡水イルカもいるらしい。車の中から眺めると、幅は向こう岸がなんとかかなたに見えるくらい。ボートは長江を渡るのに15分ほどかかった。
その昔、中国から日本にやってきた使節が瀬戸内海に来たときに、日本にもなかなか大きな川がありますなぁ、とかなんとか言ったとかいう話をどこかで読んだ覚えがあるが、この日にその気持ちをはじめて納得した。
まあ、こんな状況がいつまで続くやら、来年にも立派な巨大な橋ができているに違いない。
0 件のコメント:
コメントを投稿