2009/04/19

現地妻のジハード(その4)

東南アジア女性と毎晩、電話で話をするようになって4日目になった。

「職場に電話をかけて、こういう話はしてないの?」

「全員、『Uさんは不在です』と一言だけで切られます。」

ということは、会社ぐるみでグルになって彼女を無視していることになる。

なんだか日本人として、とても不名誉に感じた。

彼女は会社、自宅、そして寮にも毎日、私生活を投げうって電話を掛けているのに、無視されつづけ、ようやく、たまたま電話に出た僕にまともに話を聞いてもらっている、という感じだ。

迷っている僕をよそに彼女の独白は続いた。

「私、Uさんから『日本に呼ぶから待ってて』って、言われただけなのに、なぜこんなに突然、Uさんと話もさせてもらえないんですか?」

「・・・・・」

「正義はどこにあるの!!」

「・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・あなたは正しい。」

僕はようやくこの一言を発した。

彼女の言うとおりなら、こんな妨害を会社ぐるみでやるのはおかしい。

「だから、お願い!!

 寮の3XX室に行って、中にUさんがいるのか、ノックして確かめて!!

 いるのか、いないのか、それだけでも知りたいの!!」


「・・・・・」

寮の部屋は、番号順では僕の隣から角を曲がって以降は構造上、もっと立派な部屋になっている。

僕は昼間、会社の電話帳でUさんという人がどんな役職の人か確かめていた。 

役員まではいかないが、かなりえらい人。

少なくとも入社2年目の僕には間違いなく、雲の上の人。

角を曲がったえらい人用の部屋に行って、見ず知らずのえらい人がいるのかノックをする・・・。

いつもの僕なら絶対にできない。

が、『正義はどこにあるの!!』という彼女の悲痛な叫びが僕を後戻りできなくさせていた。

「・・・・・わかった。

 3XX室に行って、ノックをして確かめてみるよ。」


「・・・ありがとう。待ってるわ。」

部屋を出て、角を曲がると 3XXのドアはすぐ目の前にあった。

ドアの前には間違いなくUさんの名前が表示されている。

やるしかない・・・・・

重たい息をはいて、僕はドアをノックした。




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